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70話 大丈夫だ、問題ない

「じゃあ、行こうか!」

「そうだね」

「って、そういえば!」


 ダンジョンへ入る前に、大事なことを思い出した。


「ミソギって装備とか大丈夫なの?」

「大丈夫だ、問題ない。昨日ついに素材が揃って、満足いく装備を整えることができたよ」


 それならば良かった。

 ミソギが村人装備のままだとしたら、流石にキツイだろうと感じたからだ。


 ノナとミソギは銀座駅にあるダンジョンゲートに触れ、それをくぐると、ダンジョン内部へ入る。


「うわ! 凄いイメージ変わったね!」


 今までのミソギは村人装備に黒髪ロングといった感じで、地味な姿をしていたのだが、かなり派手になっている。


「ダンジョン内では派手になろうかと思ってね」


 今のミソギは髪の毛を水色に染め、青や水色を基調とした装備を身に着けており、青いコートも羽織っている。

 全体的に涼しそうな印象を受ける。


 武器に関しては、先端が三又の槍である。


「エムも来られれば、良かったのになぁ」


 折角なので、エムにも見せたかった。


「仕方ないよ。後藤さんは学生だし、今日平日だし」

「いや、そうだけどね」


 平日なので仕方がない。

 しかし、ダンジョン内には人が多い。


 いくらレイドイベントを開催しているからといっても、平日に人が集まり過ぎである。

 休みを取ったか、休日が不規則な仕事をしている人達が集まっているのかもしれない。


「それにしても、ここのダンジョン扉が沢山あるね!」


 銀座駅のダンジョンに来たことはないが、ボス部屋の前にあるような扉が至る所に存在する。

 そして、他の探索者達は複数人でそこへと入っていく。


「あの中に、今回大量発生したボスがいるんだよ」

「だからあんなに扉が沢山あるんだね! でも、扉の向こうに行かなければいいんだったら、そこまで急ぐ必要もないよね」


 いくら初心者でも、間違って怪しそうな扉に入る可能性は低いだろう。


「それがそうでもないらしいんだ。この突如発生したボス部屋への扉から、ボスが出て来たという情報もあったからね。もっとも、それは既に討伐済らしいけど」

「出てきちゃうんだったらマズいね! でも、ボスって一回倒しても復活するんじゃないの?」

「本来はね。中には復活しないボスもいるらしいけど、今回もそんな感じらしいんだ」

「そういうことか!」


 ノナとミソギは数ある扉から1つを選び、その前に立つと、扉を開けてボス部屋内部へと入る。

 ボス部屋へと入ると、粒子が集まり、5mくらいの骨のドラゴンが出現した。


「グオオオオオ」


 なぜ全身骨なのに叫べるかは謎だが、そこはモンスターなので、気にしてはいけない点だろう。


「骨のモンスターなんて初めてだね!」

「うん。そして、強い」

「ミソギ、大丈夫?」

「何が?」

「あんまり戦闘したことないでしょ?」

「そうでもないよ。結構特訓しているしね。それに、この装備を集める為にもモンスターを倒してお金を稼いだりしたしね」


 ダンジョン内通貨、ゴールドはモンスターが落とすのではなく、モンスターを倒して手に入れた素材などを売って手に入れる必要がある。

 つまりミソギは、結構な数のモンスターを倒したということを言いたいのだろう。


「グオオオオオ」


 骨ドラゴンはいきなり黒い光線を発射してきた。


「骨ドラゴンの攻撃、中々強そうだね!」

「ボーンドラゴンって呼ばれているらしい」

「はっはっは! そのまんまだね!」


 ノナが笑っている間に、ミソギはジャンプをし、槍をボーンドラゴンへと放つ。


「【アイスランス】!」


 名前から言って氷属性的な、アーツだろうか?

 ともかく、冷気のようなものを帯びた三又の槍が、ボーンドラゴンに刺さった。


 刺さったといっても、ボーンドラゴンに肉はなく骨のみなので、骨の間にめり込んだといった感じが正確な表現かもしれない。

 ミソギは槍を引き抜くと、バックステップでノナの隣に並ぶ。


「凄いね!」

「ありがとう。でも、どのくらいのダメージ入ってるんだろうね」


 闘技場ではないので、HPゲージは表示されない。

 ボーンドラゴンはアイスランスを受けた際に叫んだが、それでも実際どのくらいのダメージを負っているかは、2人には分からない。


「私も新しい手を見せてもいいかな!?」

「この前言っていた【リサイクル】ってスキル?」

「確かにそれもいいんだけど、私はランダムスキルの書を2つ貰ったからね! もう1つ新スキルがあるんだよ!」


 テイマーズグランプリのバトル部門とレース部門、2つの部門で優勝したノナには、2つのランダムスキルの書が配られた。

 結果的に2つのスキルを得た。


 1つ目は【リサイクル】、そして2つ目を今から使う。


「フェンリル! おいで!」


 ノナが身に着けている指輪から、銀狼のモンスター、フェンリルが飛び出して来た。


『なんだ、美味しいものでもくれるかと思っていたのだが、戦闘の手伝いか?』

「あれを見せたくて!」

『攻撃は食らうなよ? 我も痛い思いをしたくないのでな』

「勿論!」


 今から発動するスキルは、発動中に攻撃を食らうと、フェンリルにもダメージが行ってしまう。

 しかし、食らわなければ問題ない。


「スキル発動! 【獣武装ケモノブソウ】!」

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