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4話 友達ができた(掲示板回含む)

「って、ああ!」

「どうしたの?」


 突然女の子が叫んだ。

 上を見ている。上に何かいるのだろうか?


「巡回カメラが飛んでる……」

「え? あー! あれかー!」


 ノナも女の子と同じ方向に視線を向けると、丸い機械がフワフワと浮かんでいた。

 巡回カメラと彼女は言っていたが、確かにカメラのレンズのようなものもついている。


「あれ何?」

「とにかく、場所を変えよう!」

「えっ!? ちょっ!」


 ノナは女の子に手を引かれ、遠くへと走った。


「こ、ここまで来れば大丈夫なハズ」

「い、いきなりどうしたの?」


 全力で走った為、息を切らせている。

 息を整えると、女の子は言う。


「あのカメラに映ると、TUBEで配信されちゃうんだよ!」

「そうなの? 配信って動画投稿?」

「え? 配信は配信だよ! リアルタイムで配信されちゃうの!」


 どうやら動画サイトを間違っているらしい。

 TUBEは確か、配信はできないハズだ。


 ニコリ動画、略してニコ動というサイトのニコ生という機能を使えば、リアルタイムで配信ができるので、おそらくそちらで配信されてしまうということだろう。


「ニコ生のこと?」

「え? TUBEだよ!」


 どういうことだろうか?

 頭上に疑問符を浮かべる。


「ちょっとちょっとー! 配信と言えば、ニコ生でしょー!」


 悪意はなく、ちょっと冗談交じりに、おそらく漫画であれば目が「><」となっているであろう表情でノナは言った。


「ニコ生?」


 女の子は首を傾げた。


「違うの?」

「う、うん。TUBEで配信されてるんだけど……」

「そうなの!? いやぁ、私そういうの詳しくなくてさぁ!」

「TUBE知らなくてニコ動知ってるのは珍しいね。あ、でもあそこのサイト、1年くらい前にやり過ぎかってくらいにセキュリティを強固にしてネタにされていたから、それで知っているのかな?」

「ま、まぁ? そんな感じ! (本当はそのネタ知らないけど)」


 聞いた限りだと、この時代ではTUBEでも配信ができるようだ。

 だがまぁ、ネット配信はあくまでもネット配信だ。テレビ程の影響力はない。


 それに見ているのは、パソコンで仕事をしているマナーをわきまえている大人の人か、子供の場合はノナのようなオタク気質な人しか見ないだろう。


 悪いこともしていないので、焦る心配は無さそうなものだが。

 助けた女の子のピンク色の髪の毛は、目立ちそうではあるが。


「とにかく、改めて自己紹介させて貰うね。私は吉永ヨシナガ ノナ! 中学2年生! ノナって呼んで欲しいな!」

「じゃあ、ノナちゃん」

「ノナでいいよ!」

「じゃあ、ノナ! よろしく! ふふ、ノナはコミュ強なんだね。私の名前は、【後藤ゴトウ 絵夢エム】。エムでいいよ!」

「よろしく!」


 新しい友達ができて、ノナは嬉しく思った。


「あ、そうだ。私高校1年生だから、少しお姉さんだね」

「そうなんですか!?」


 思わず敬語で返事をした。


「さっきのままでいいよ!」


 少しお姉さんというのは、おそらく冗談交じりで言ったのだろう。

 自分の方が年上というのを、言いにくかったのかもしれない。


「それよりも、ライン交換しよう!」

「ライン? ラインって何?」

「え?」

「ごめん! 詳しくなくてさぁ!」

「そうなんだ。ノナって、なんだか不思議だね」

「そう? 悪い気はしないね」


 異端なのは時としてかっこいいことだと、ノナは思っている。


「そういえば、ダンジョンに入ったばかりだったら、ダンスマ持ってないよね?」

「ダンス魔?」


 ダンスの魔王的な何かだろうか?


「ダンスマって言うのは、自分のスマホをダンジョン外から操作できる特別なスマホのことだよ。ほら、ダンジョンから物を持ち出せないのと同じで、外からダンジョンの物を持ち込めないから」

「あ、そうなの?」


 ダンジョン内の物を持ち出せないということは、ダンジョンから出ると姿が戻ってしまう可能性も高い。


「じゃあ、番号交換しようよ! 私の電話番号これね! 後でかけるよ!」


 ノナは紙に書いて、エムに電話番号を伝えた。


「私の番号は……覚えてないかな。私の方から後でかけるね」

「うん! ありがとう!」

「こちらこそ! 私友達少ないから、友達ができて嬉しいよ! ……って、ああ! 今日用事あったんだ!」


 エムはダンスマを見て、慌ててそう言った。


「ごめん! 先帰るね!」

「気を付けてね!」








☆ネット掲示板 7ch


フェンリルを初心者が撃退した件について


1.名無しの探索者

 あり得るの?


2.名無しの探索者

 本スレ行け


3.名無しの探索者

 すまん


4.名無しの探索者

 そもそも、あそこのダンジョンどこ?


5.名無しの探索者

 >>4

 分かる人には分かる


6.名無しの探索者

 特定に繋がるから、あえて言わない


7.名無しの探索者

 話戻すけど、あの子村人装備の子、初心者のフリした上級者じゃね?


8.名無しの探索者

 >>7

 それはない。虹の秘薬を飲んで効果があったみたいだからな


9.名無しの探索者

 虹の秘薬って、確か探索者歴10分間の人にしか効果のない、激レアアイテムだっけ?

 効果は、アーツをランダムで取得だっけ?


10.名無しの探索者

 ランダムと言えばランダムだけど、一応強いアーツが出やすくなる法則はあるみたい

 そもそも激レアアイテムだから、検証例も少ないけど


11.名無しの探索者

 そのアイテムに限らず、強いアーツを取得できるかどうかって、何か傾向があるんじゃなかったか?


12.名無しの探索者

 >>11

 確か、精神年齢が若いほどに強いスキルとかアーツを覚えやすいとかなんとか


13.名無しの探索者

 若い方が有利なのか

 想像力が豊かとか、そういうのも関係がありそう


14.名無しの探索者

 だからと言って、自他共に認める精神年齢低い大人でも大して強いアーツとか、手に入らなかったぞ? ソースは俺


15.名無しの探索者

 精神年齢が若い方がっていうのは、あくまで考察

 でも、実際若い人の方が強いの覚えられている感はある

 恐れ知らずっていうか、世間に毒されてないのも関係ありそう

 俺も子供の頃は自分が世界の中心だと思っていた時期があったわ


16.名無しの探索者

 どうりでおじさんの俺は、中々強いスキルやアーツを覚えられない訳だ

 まぁ、大人になると精神年齢が高かろうが低かろうが、現実が見えてくるからな

 自らが無意識に可能性を狭めているって可能性はあるかもしれん


17.名無しの探索者

 >>16

 代わりと言っちゃなんだが、ダンジョン外の肉体が年数を重ねていれば重ねている程に、パラメーター的なのは強くはなりやすいらしい。もっとも、数値化されていないから、確実にとは言えないけど


18.名無しの探索者

 だったら老人が最強か


19.名無しの探索者

 30歳くらいが、ピークだとかなんとか

それ以上はあんまり違いがないらしいから、老人最強はない


20.名無しの探索者

 で、結局どうしてフェンリル撃退できたのかは分からない訳か


21.名無しの探索者

 初心者なら、どんだけ強いアーツでも、ダメージ量が少ないからな

 倒しきれてないとはいえ、強モンスターのフェンリルが逃げるくらいだから、相当ダメージいったハズ。


22.名無しの探索者

 あの子、見た所小学生か中学生くらいだと思うけど、どこの子だろう?


23.名無しの探索者

 そういう特定に繋がるのは良くないけど、よく補導受けなかったよな


24.名無しの探索者

 ダンジョンに初めて入る場合は、18歳以下の人は保護者が同伴しないと駄目だった気がする。罰則はないけど、ダンジョンゲート前にいるスタッフに補導を受ける。いない時もあるけど


25.名無しの探索者

 ダンジョン内のアイテムとかで、見た目若く見せてるんじゃね?

 そもそも、初ダンジョンかどうかなんて見て分からないんだし、建前の規則だろ


26.名無しの探索者

 >>22

 見た目を若く見せてるってのは、ないと思う

 虹の秘薬が効いた所を見ると、確実に初心者な上、若く見せるアイテムとかはかなりレアだし


27.名無しの探索者

 あのピンク髪の子が保護者だったり?


28.名無しの探索者

 >>25

 助けていたし、それはないんじゃないかな?

 後初対面みたいな感じで話していたし


29.名無しの探索者

 まぁ、結構注目されてるし、承認欲求を満たす為にも、いずれツイックスとかTUBEに顔を出すだろう


30.名無しの探索者

 案外、どこかの企業に所属していたりしてな

本日の夜中か、日付跨いだくらいに5話をアップしますので、ブクマなどしていただけると嬉しいです。

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