第2話 みるくん家
キーンコーンカーン 6限目終わり。
「ふわぁ〜やっと終わったっと。」
「素人くん、あなたは寝てただけでしょ。」
乙女が声を掛けて来た。
「こりゃまっと。…ん?という事は俺のことずっと見てたの?」
「ま、ま…偶々バカな頭が見えただけよ。」
「バカな頭…。」
「あっ、みるく!もう帰るの?」
「うん。今日はお母さん遅いから。」
「じゃあね。バイバイ。」
「おー、また明日なー。」
「はい!さよならです。」
みるくはにっこり笑って手を振った。
素人と乙女はそのまま2人で帰っていた。
「みるくん家は共働きで年の離れた弟くんと妹ちゃんが居るのよ。みるくはお姉ちゃんだから結構忙しいんだって。」
「そっかぁ。」
夕暮れ時、1人で歩いていた素人はみるくにばったりと会った。
「素人くん。」
みるくはスーパーの袋を両手に提げていた。
素人はスーパーの袋をひとつ持ってあげていた。
家に着くと中から元気の良い妹と弟と1番下の妹はまだ幼稚園ぐらいで、みるくに飛び付いて来た。
「このお兄ちゃんだあれー?」
「みるくちゃんのカレシー?」
「カレー?」
「カレシじゃねぇし、カレーでもねぇよ。でもゆくゆくは…。」
わいわいと素人に飛び付く妹たち。
「上がったからには何か手伝えねぇかなぁ。」
「いいよ。あっじゃあ。」
素人はじゃがいもの皮剥きを命じられた。
「ごめんねー、俺リンゴの皮も一度も剥いたことのないような男だから。」
「初めてでこれだけ出来れば上出来です。」
「んでも絵になるねぇ、Fカップ美女おさげメガネどじん子、妹たちの世話家事上手。」
「Fカップは余計ですっ!」
「ははは。」
その日の夕食はカレーで、素人もお相伴にあずかった。わいわいと賑やかな晩餐だった。
「あの、今日はあっありがとうです。」
「全然。」
「家の人は?」
「連絡しといたからさっ。それよりみるくちゃんすげーお母さんみたいだった。っつーかどじん子じゃないんだな。カッケーよ。」
「そそそんな。」
素人はみるくの両手を包むように取って言った。
「改めて、そんな美しい生き方のみるくちゃんにお願い!見た目もかわいいけど中身も綺麗なみるくちゃんだからこそ、この素人ハーレムに入って欲しい。そう思うんだ。駄目かな?」
「……。」
下を向いて訊いていたみるくが向き直ってにこりと笑った。
「はいっ。」
「それっていいって事?」
「何をすればいいか分かんないけど。」
「んじゃあまずこの水着を着てもらおうかな!」
「はははっはっくしょん!ハレンチですっ!もー。」
「へへへっ!」