まごにごまたまごまたまごにごま
「おじいちゃんありがとう!」
この時ばかりは譲れない。かわいい孫は会うたびに大きくなり、一緒に遊ぶのも楽じゃない。おもちゃは複雑、ゲームは難しい、外に行けば体力が追いつかない。つまらなそうな視線を浴びるのは生きた心地がしない……
私も祖父に同じ様な思いをさせただろうか。全くもって子供とは罪な生き物だ。しかし、その穢なき純真な心が故の言動は受け止めなければならない。そして、だからこそ、お土産攻撃は効くのだ。
受け取るがよい、東京土産【ごまたまご】を!!
【いちごみるく】【スイートポテト】【ショコラマロン】に【チョコたまご】色々あれど、あえての胡麻!! どうだ、渋いチョイスだろ?【おじいちゃん】というイメージにあうだろ?
私の祖父は【誉の陣太鼓】だった。大きくて甘くて、手がベタベタになってしまって、だがそれがよいのだ。お陰で何かを食べる時、思ったより大きいな、と思うと祖父を思い出し、なんか甘いな、と思うと祖父を思い出し、なんであろうと手がベタベタすると祖父を思い出す。
事ある毎に懸命に接してくれた祖父。孫よ、お前も私をそう思ってくれるかい?
この物語はフィクションです。