1/4
プロローグ
空を、見上げていた。
体に力を入れると痛くて、起き上がることはできない。
その痛みを感じてようやくトラックにぶつかったのだと実感した。
自分が道路に飛び出したのか、トラックが歩道に突っ込んできたのかは分からない。
だんだんと、思考力が鈍り、まぶたが重くなってくる。
もう死ぬのかな、ぼくは。
ぐったりとして目を閉じると、過去の思い出がいくつか流れ込んできた。
走馬灯だと、一瞬思ったが違うだろう。
そう感じたのは、自分がまだ死なないことを知っていたからかもしれない。