0話 転生
俺の名前は三重 祭。30歳独身。
平凡なサラリーマンである。
ただ残念ながらもうすぐ終わりを迎えるだろう……
と言うのも、今は巨大な穴にはまって落下中だからだ。
急に現れた穴に飲み込まれたと言うのが正しいかな。
しかし突然だった。ん?これはもしかして異世界転移されるやつか?
最近本屋で異世界転生や転移ものが流行っていたから少しかじっていた。
大体こういった状況から気を失って、気付いたら異世界って感じなんだよな。
それにしてもどこまで落ちるんだ?もしかしてありえるのか?
とりあえずアメでも食うか。
『起動条件が達成されました、これより作業に入ります。作業完了まで残り95%』
突然、俺の脳裏に声が響く。
その声にびくっとなり、
「んぐっ!? うぇっ、なんだ!? びっくりした!?」
『サブルーチンの起動条件が達成されました。スキル「ドロップ」を獲得しました。作業完了まで残り50%』
なんだ!?なんだ!?どうなってるんだ!?
一体何が起こっーーー
『作業完了まで残り3%、2%、1%、作業完了しました。これより「転生」の起動を開始します』
俺の体は光の粒となりこの世から消滅してしまった。
ーーーーーーーーーー
その頃地上では…
「落ちちゃった...。ってしまった!? どうしよう...怒られる...。でもあのままだと死んじゃうから結果オーライだよね!」
ーーーーーーーーーー
どれぐらい時間が経ったんだろうか。
意識はあるが身体の感覚が無い。
意識も薄っすらとしかないためボーッとする。
なんだっけ?まぁどうでも良いか...
『ーーー...ますか? ーーー...を取り込みますか? 身に着けていたモノを取り込みますか?』
声が聴こえる。
身に着けていたものってなんだっけ?
わからない。
『回答がありません。エラー発生。これより身に付けていたものをサブルーチン化します。条件達成により有効化されます。これは後で変更できません。』
何かが進んだみたいだな。
まぁどうでも良いか。
『「転生」の作業完了まで残り20%』
おっ、また進んだみたいだ。
あれ?今転生って聞こえたような…ん?何か聴こえるようになってきたぞ。
「ーーもん! ーーーるんだ!全く!!」
知らない男性の声がする。
「ですが!ーーー様、結果的にーーーーーー」
今度は女性か?
ケンカしてるのかな?
「ったく召喚と転生をーーーーーー。 ん?もう終わーー。後は頼んーーっ!」
「はいっ!ーーー様!ーーーーよろしくね!あなたが行くのは"ーーーー"よ!」
なまえかな?よくきこえない。
ボーッとして頭が回らない。
『「転生」の作業が完了しました。新たに「前世の知識」のスキル獲得しました。条件成立後起動します』
この言葉を最後に"俺"は意識を失った。




