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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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技術を求めて

現代とは異なるどこかの世界にあるどこかの国。

その国だけでなく、世界そのものが荒廃し疲弊しきっている世界。

そんな世界の一つの国が生き残りのために影で動いていた。

この状況を終わらせられるのは技術しかないと。


「準備はいいな」


「ああ、任務である以上どこへでも行く所存だ」


「ではこれより異界への転移を始める、この国の命運、託したぞ」


猫の耳と尻尾の生えた忍者らしき少女、そして謎の魔法使いらしき一団。


それは国を救うために彼女に託そうとする者達の集まり。


「始めてくれ」


「うむ、では始めるぞ」


「異界、技術を持ち帰る、選ばれたからには必ず遂行してみせる」


「では、彼の者を技術の発展せし異界へと送り給え!」


「行って参ります」


そんな事が起こっている一方でここは現代の出版社が多くある街。

その街のアパートの一階にあるラーメン屋。


そこで仕事を終えた一人の青年が部屋に戻ろうとしていた。


「それじゃ上がらせてもらいますね」


「はいよ、大学の方もしっかり行くんだぞ」


「はい、それでは」


「さて、樹希ちゃん、あとで買い物頼めるかな」


「はいよ、何が必要か言ってくれ」


彼の名は山根碧流、服飾系の大学に通う学生。

岩原二郎という帰化した中国人がオーナーをしているアパートで暮らしている。


条件付きで安く住まわせてもらえるという事もあり、それを飲み暮らしている。


「さて、また新しい服のデザイン考えなきゃ、ん?物音?」


「泥棒?でもここは二階だし、玄関も窓も鍵は閉めたはず…とにかく入らなきゃ」


「…誰だ!」


「うにゃっ!?」


「…女の子?でも耳と尻尾がある、コスプレイヤー?」


きちんと戸締まりしたはずの部屋に猫の耳と尻尾の生えた女の子がいた。

コスプレイヤーかとも思うが、刃物を持っているようで、警戒はする。


一応声をかけてみる事にはした。


「えーっと、キミ、どちら様?」


「お前、ここはどこだ」


「どこって、俺の部屋だけど、それよりなんでコスプレした子がいるの?」


「コスプレ?なんの事だ、もしかしてこの耳と尻尾か?こいつは自前だ」


「自前…確認させて」


碧流はデザイナー志望という事もあり、こういうものには弱い。

その女の子も一応警戒はしているものの、殺気を感じないからか、抵抗はしてこない。


碧流もそれを触ってみる。


「…本物だ、引っ張っても取れないから、紛れもなく本物だ」


「いい加減にしろ!それとここは技術の発展している世界でいいのか」


「技術の発展している世界?うーん…一応発展はしてる…のかな?」


「そうか、お前は悪い奴ではなさそうだ、この部屋を拠点にするとしよう」


「いや、突然不法侵入して拠点にするとか、ちんぷんかんぷんだから説明してくれる」


その女の子に説明を求める碧流。

彼女の名は北風雪樹、異世界から来た亜人の忍者だという。


その他にも目的についてなど、一通りのここにいる事について聞く。


「なるほど、つまり自分の国を救うために技術を求めてきた、と」


「そうだ」


「俺の一存では決められないな、二郎おじさんに許可をもらえればいいけど」


「ならそいつに会わせろ、拠点にさせてもらえるか聞く」


「今はラーメン屋も落ち着いた時間かな、とりあえずついてきて」


そんな中お腹の虫が鳴る音がする。

碧流は昼食はラーメン屋のまかないで済ませてあるのでつまりは。


雪樹が不服そうな顔でこっちを見る。


「仕方ないな、少し待ってて」


「別に腹など減っていない…」


「体は素直なものだよ」


「うぐっ、どうしてもと言うなら…」


「はいはい、そこに座って待ってて」


すぐにお湯を沸かしてカップ焼きそばを作り始める。

それは北海道のソウルフード、やきそば弁当だ。


碧流はこれが好きで常にストックがある。


「はい、どうぞ」


「なんだこれは」


「やきそば弁当、美味しいよ」


「出されたものを食べないのは申し訳がないから、一応いただく」


「どうぞ」


そうしてやきそば弁当を恐る恐る食べる雪樹。

それを口に含むと表情が変わる。


つまりはというと。


「美味いな、なんだこれは」


「ただのインスタント焼きそばだよ」


「インスタント?」


「お湯を注ぐだけで食べられる食べ物の事」


「そんなものがあるのか!やはりこの世界の技術は発展しているな」


あっという間にやきそば弁当を完食する雪樹。

スープもしっかりと飲み干して満足げだ。


とりあえず二郎に話をしに行く事に。


「あっ」


「お、碧流だ、ねえ?いつの間に女の子なんか連れ込んだの?」


「卯咲子さん…どこから説明したらいいものか」


「知り合いか?」


「えっと、彼女は大咲卯咲子さん、お隣に住んでるモデルのお姉さんだよ」


卯咲子も自己紹介をした上で雪樹を興味深そうに見る。

二郎に話をしたら改めて話すと碧流も言う。


卯咲子はそれを了承したのか、碧流の部屋で待っている事に。


碧流は二郎に話をするために下の階へと下りていく。


とりあえずの相談など諸々を話し合う事になった。

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