恋愛軟度
静音さんに爆弾を落とされたまま二人きりにされ、私はちょっと戸惑っていた。
っと言うか、気まずいです。
でも、話をしない事には先生の誤解を解く事は出来ない。
意を決した私は、背中を向けたまの先生に私は近づくと、先生の背中を抱きしめた。
先生は私の行動に意表を突かれたのか、ビクリと肩を震わせた。
「瑞樹?」
「ねぇ、先生?私、言ってませんよ嫌なんて…」
私はそのまま言葉を続ける。
「そりゃ勢いで了承したのは否めないですが、そもそも嫌なら了承なんてしませんから」
「……」
「正嗣さん?」
敢えて名前で呼んでみる。
「……」
「年齢ってそんなに気にする事ですか?」
「…気にするだろう」
ようやく一言。あきらかに納得いっていない声音だ。
「二十歳すぎたら年齢差ってきにならないものですよ。むしろ性格が合うか合わないかの方が、私は重要な気がしますよ」
「…そんなもんか?」
「寧ろ男性の方が若いお嫁さんを希望しませんか?」
「それは見栄を張りたい男だけだろう?」
「まあ否定はしませんけど、先生は見栄ではなく、家の為なんですから遠慮なく若い私を受け入れてOKなんですよ?私はいつでもOKなんですから」
私は頭の上で大きく丸を作り、先生ににっこりと笑いかける。
先生はそんな私をキョトンとした表情で固まり、次の瞬間にはため息をつきながら、私の頭を撫でてくれた。
「まったく…瑞樹には敵わないな」
なんだか諦めた表情で力なく笑う先生は、完全に負けたよと言う感じだった。
これは…説得は諦めて運命に従い、私に手を出してくれるって事かしら?
そう思って少しドキドキしながら、次の先生の行動を待つ。
「…先生?」
せっかくみんなが気を利かせて二人きりにしてくれたのだから、せめてキスくらいは期待したい。
「そうだな…瑞樹がOKなら俺がとやかく言う事では無い。俺は当主になると決めたんだからな…瑞樹が納得しているなら、花嫁の件はお願いしたい」
「はい!こちらこそよろしくお願いします」
なんだかんだ最近先生の伴侶として動いていたはずなのに…ようやく先生も、納得した上で、私を必要としてくれたみたいだ。
アストラルの鍵として…ね。まだまだ完全納得までは遠いのかな。
ちょっと寂しい気持ちを感じながら、私は先生の横顔を眺める。
「納得したなら…先生この後どうします?」
ちょっと期待を込めて、今後の予定を聞いてみる。
「そうだな…瑞樹は召喚で疲れているしな。寝るか?」
「寝るっ?!」
「あぁ、俺は少し出掛けてこれからの準備をしてくるからな。瑞樹は寝ていてくれ」
私はがっくりと身体の力が抜ける。
わかってはいたよ!先生と簡単にいい雰囲気になるなんてまだ早いって…
でもね…将来を近いあったみたいな感じだったから、少しはね…期待してもバチはあたらないでしょ?
そんな事を考えながら、私が少しむくれていると、先生が笑った。
「そんなに拗ねるな。弥生を取り戻して落ち着いたらな…その時は俺も覚悟を決めて、遠慮しないから。瑞樹も覚悟しておけ」
そう言うと、先生は不意に私の額にキスをした。
突然のキスに、私は顔か熱くなるのを感じた。
「先生…」
「予約の印だ。今はまだな」
そう言って先生は背中を向けて、そのままアストラルの扉を開けると、どこかへ出掛けて行ってしまった。
でも…後ろ姿でもわかるくらい先生の耳が紅くなっていたのを、私は見逃さなかった。
「先生…行ってらっしゃい。気をつけてね」
先生が出て行ってしまった扉に向かって私は呟いたのだった。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
「なんじゃ、せっかく妾たちが気を利かせたのになんにも無かったのか」
先生が出掛けて行った後、静音さんが消えたドアに声を掛けると、期待しながら静音さんがひょっこり出てきたので、事の顛末を話すと、盛大にため息をつかれてしまった。
「でも…予約はされたよ。わたし的には今はそれで充分だとおもう」
「式はまだしてはおらぬが、お主らは当主夫婦に認められたのじゃ、予約も何も決定事項ではないか。あやつは其れを誤魔化したに過ぎん」
「あっ、…」
今更気付いた。
そうだったね…決定事項でした。
「私誤魔化されただけだったんだ」
まあ、おでこにキスはしてくれたけど、関係は進展なしと同じ事に気付く。
「難しいね…恋愛って」
「初めての恋愛でも無いじゃろう?何が難しいのじゃ?」
それはそうだった。少し前まで大和と付き合っていたし、その前にも付き合ったりした人はいた。
なのに…
今回の恋はなんて手強いのだろう?
「恋愛ってすればするほど、難解な物に変化していく気がする」
「経験が頭を固くしていくんじゃろうな」
「だったら先生はかなり凝り固まってるって事かな?」
「じゃろうな。特に正嗣はもともと考えすぎる所があるからのう」
「そっか…つまり、私も先生も少し頭を柔らかくしてから、って事かな」
「そうじゃの。恋にあれはダメ、これはダメってものはないからのぅ」
恋愛にダメはないか…静音さんの言葉に私は考えてしまう。
確かに大和の事で、私は恋をしていいのか最初不安だった。
大和だけでなく、今までの別れから臆病になり、そして恋する事に疲れてしまった事もあった。
それがダメだったのかもしれない。
でも、今は弥生の事もある。だから…
「静音さん…私、弥生の事が解決したら、先生ともう一度話し合ってみるね」
「そうすると良いじゃろうな」
「うん」
とにかく今は弥生に集中しよう。私は気持ちを入れ替える事にした。
たまには自分達の事も考えてみる…
そんな時間も欲しいですよね|ω・`)♡
ご意見ご感想ありましたら、よろしくお願いします
♡(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)




