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アストラルの鍵

「そんな事は百も承知だ。俺だって大した戦力は無いぞ。だからこそ静音を呼んだ」

「静音さんを?」

先生の言葉に私を含め、3人が同時に首を傾げる。

「生き神化を遅らせるだけじゃないのか?」

睦月が今度は聞き返す。

「それも重要だが、戦う術がなければどうにもならないだろ」

「それに静音さんが重要になるんですね」

橘さんもその言葉に楽しそうだ。

「さて、戦うための術だが…まず一つは武器じゃな」

「武器…」

その名前を聞いただけで物騒だ。

でも自分達の身を守る為には、必要になってくるのはわかっている。

静音さんが何も無い空間に手を突っ込むと、そこからバラバラと色々な武器が落ちてくる。小型の拳銃もあればライフルに手榴弾…挙句の果てには大砲らしきものまである。

「すっげぇ、こんなの俺見た事ないぞ」

「この世界では見た事ないものばかりですね」

いきなりたくさんの武器を見た為か、睦月も橘さんも少し興奮気味になっている。

「戦争に行くんですか?」

「そうじゃないのか?」

私の呟きに武器を手にとりながら、睦月がキョトンとしてくる。

「そこまで物騒な展開を予想してなかったと言うか…拳銃くらいかなと思ってたから」

そうなんだ。私だけ深刻度が違っていたのかめしれない。

そんな私に先生が頭を撫でてくれる。

「これらは最終手段だ。戦うための術の一つだと静音が言っただろ?戦うための術はもう一つある。そして静音を召喚した理由でもあるんだ」

「静音さんを召喚した理由?」

弥生の生き神化を遅らせるだけじゃない?

「瑞樹が向こうで試されたあれだ」

「試されたあれ?」

試されたもの…と言えば静音さんと出会ったあの試練しかない。

でもあの試練に戦う為のものなんてあっただろうか?

「私は舞を舞った記憶しかないですよ?」

「そうだな。舞を舞う事で成仏させた魂は何故集まって来た?」

「えっと…生き神の静音さんがいると、未練を残した魂が集まって来るんですよね?」

「そうだな。その魂を浄化させた理由は?」

それは魂の怒りが伊豆家(いとうけ)に振りかからないためって話だった様な…

あの時の話を思い出しながら私が答えると、先生が大きく頷いてくれた。

「その魂どもを静音が好き勝手出来るとしたらどうする?」

ニヤリと笑う先生。

「えっ!?そんな反則的な事できたら…」

「そう言う事だ」

そんな馬鹿な。それが可能ならいつでも奴らを先生は壊滅出来たと言う事になる。

でも、今まで話にも出て来なかった。

「まだ疑問があるのか?」

「だって、今までそんな話すら出て来なかったじゃないですか。なんで今までそれを利用しなかったんですか?」

「それは前提が違ったからだよ」

「前提?」

「今まで何代もかけて伊豆家にはジワジワと魂が溜まっていたのは知っているだろ?」

「はい、それを私が浄化したって言う話でした」

「そこだよ」

「そこ?」

「静音の周りにはずっと魂が浄化しきれずに集まり続けていたんだよ。だから、新たな種類の魂を集めたりする事は出来なかったんだ」

つまり…一度空っぽにした状態でないと、この作戦は使えなかったと言うことらしい。

「それにあの浄化があったからこそ、静音を召喚する事ができたと言っただろ?」

私は静音さんを呼ぶ話が出た時に聞かされた内容を思い出す。

「全ては瑞樹が浄化を成功させた事で条件が揃った」

先生がそう言い切りながら、私の頭を優しく撫でてくれる。

「瑞樹、妾からも付け加えておくのじゃ」

今まで静かに私たちの話を見守ってくれていた静音さんが話に加わってきた。

「今の正嗣の話では偶然の産物の様な話じゃったが、そうでは無いぞ。瑞樹は『アストラルの鍵』じゃからな」

「『アストラルの鍵』…って以前言われましたが、今まだ私には実感が無いです」

『アストラルの鍵』なんて言葉すっかり忘れてた。先生の実家で言われたけど、イマイチなんなのかわかっていなかった。

「そもそも『アストラルの鍵』って何なんですか?伊豆家の嫁が鍵だとか言われただけで、何がなんだか…」

バタバタとこの時代に戻って来てしまったせいで、『アストラルの鍵』の話もなんだか有耶無耶になっていた事に今更気付いた。なんだかモヤモヤした何かがあると思っていたけど、この話が中途半端になっていたからだ。

話を蒸し返したからか、先生が静音さんをなんだか睨んだ感じがしたけど、私はこの話を思い出した事で聞かずにはいられなくなっていた為、先生の都合は無視する事にした。

「さっき言葉の通りじゃよ。さっき正嗣が言った妾の力を使う事が出来るようになったのも、瑞樹が浄化を行い、なおかつ魂が集まる速さを遅らせる事が出来たのも、瑞樹が正嗣の妻となり『アストラルの鍵』になったからじゃ。じゃがの…」

静音さんは話を続ける。

「正嗣の母、芹も『アストラルの鍵』ではあったが、瑞樹程の力は無かったのぉ。かつてここまでの『アストラルの鍵』は現れなんだ。つまりじゃ、瑞樹を妻として迎えた正嗣は最高の『アストラルの鍵』を手に入れ、これからの戦いに多くの選択肢を手に入れたと言うことじゃ」

フンっと鼻息荒く静音さんが説明を終わらせた向こう側で、なんだか先生が少し拗ねている感じだけど…。

そっか、私は最大限に先生の役にたっているんだ。

「正嗣がそこに触れずに話しておったのは、未だに婚姻の話に納得行かぬまま、『アストラルの鍵』としての瑞樹を利用している自分に矛盾を感じておるのじゃろうよ」

図星なのか、先生が益々視線を逸らしてこちらに背を向ける。

「当たり前だ。俺と瑞樹の年齢を考えてみろ。親子ほど離れているのに、瑞樹が自己犠牲で嫁に来たとしか思えんだろう…」

先生そんな事考えていたんだ…。

確かに勢いで嫁になるって言ったけど、先生が嫌だったら了承なんてしていない。

そこにお互いの行き違いがあるんだと、今更私は気付いた。一度しっかり話をしないとダメだ。そう思っていた時だった。

「俺たちは一度仕事に戻らせて貰うぜ」

今まで私たちの話を横で聞いていた睦月と橘さんだった。

「そうですね。召喚は成功しましたし、そろそろ向こうへ戻らないと、他の人達に不審に思われますからね」

「俺たちはまた明日のこの時間にこっちに来るからそれまで話し合っておけよ」

そう言うと二人はあっという間にアストラルの空間から去って行ってしまっていた。

「気が利く二人でないか。妾も明日まで隣の空間で休息をとるとしようかのぅ…」

そう言うと、静音さんはもう一つある空間の扉を開け、ひらひらと手を振って消えて行ってしまった。

「やはり夫婦としての営みが必要かもしれぬのう…」

と言う。爆弾な独り言を残して…



なかなか投稿が出来ない(´;ω;`)

でも頑張ります!

って事で、続きが気になる方はご感想などありましたらよろしくお願いしますm(_ _)m

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