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弥生の失踪は睦月にとってかなりのダメージだったみたいだ。

でも私達が戻って来た事で思考回路が回復してきたみたいで。パチンっと両手で自分の頬を叩くと、さっきとは違う力強い目になった。

「先生が戻るまで何から手をつける?」

「そうだな。この施設内にいる羽島側の人間は把握したから。次は仲間に引き入れる選定だな」

「それだったら私もみんなの仲間に入れてもらった方がいいかしら?」

「う〜ん、それはやめよう。羽島側の人間が結構ヤバい」

「そうなの?」

睦月は確信している様に頷く。

そうなると動きづらい…でも確信できる何かがあるんだ。だったら方法をかえないと。

「羽島側でなかったら一番仲間にしたい奴だったんだ…俺としてはそれが悔しかったよ」

「そんなに優秀な人だったんだ。なんだか奴は私たちに精神的にダメージがある人を監視役に選んでるのかもしれないね」

私の頭には大和が浮かんでいた。彼も一番仲間でいて欲しかったから…。

「そうだったな。瑞樹も大和を…」

「うん。でももう大丈夫なのよ皆がいるし、それに今は先生がいるから」

「そうだな。俺たちはそれぞれお互いの世界のパートナーみたいなもんだからな」

「うん」

「そう言えば二人とも今回はアストラル体じゃないんだな。パニックってたからさっきは気づかなかったけど」

そうだった。着いた途端に弥生の事で混乱してたから忘れてた。

「先生の実家から来たのよ。先生の家ってそう言う事が出来る一族だったのよ」

「便利だな」

(ほんと、まあ条件がついたけどね…)

婚約云々は先生が戻ってからにしよう。

なんとなく今言うべきでは無いと思い、頷くだけでその辺は濁らせておく。

「さて、羽島がやっぱり最低だと再確認もしたし、作戦を考えないとね」


私たちと別れて、先生は弥生の痕跡を辿って一つの部屋に到着していた。

その部屋は例の窓の外に見えていた部屋…つまり弥生達の子供が使っていた部屋だ。

(やはり、窓の外に出ていたな)

そう確信すると、その先の痕跡を探索してみる。痕跡はかなり巧妙に消されていたけれど、当主として力が増した先生にとっては簡単に見つける事ができた。糸の様な痕跡を辿るとアストラルを使い、かなり遠くまで弥生は連れ去られていた。

(遠いな…アストラルでこれだけの距離だと国外、いや島か)

アストラルを通り抜けた場所は、予想通り木が生い茂り建物なども見当たらない島だった。木に手を翳すと、この島全体に結界が施されている。島に上陸は出来ても、恐らく内部には侵入不可になっているみたいだ。

(なるほど、ここは生き神を作るには最適な場所だな…人には見つからず生贄が泣き叫んでも無駄な造りだ)

アストラル体と身体を繋いでいる糸の様に細く長い痕跡を辿る作業。でもアストラルの糸と違い、気配だけで目には見えない。だからこそ集中が必要になる。

(しかし…この島はもしかして)

先生には見覚えのある島だった。そう、建物自体は無くなっているが、伊豆家があった島だ。

先生は奥歯をギリっと強く噛んだ。

怒りが込み上げて来るのを、呼吸を整えて後ろへ流す。

(本家を出た時に未練は無かったはずだが、成り行きで当主となった事で、再び未練が戻っているらしいな俺もまだまだと言う事か)

冷静さを取り戻した先生は、周りの木に再び手を翳すと目を閉じた。そして視界を遮断する事でこの島のバリアの詳細をゆっくりと把握していく。

(ギリギリ行けるか…)

1ヶ所だけバリアの薄い場所がある…が、抜ければ向こうに気付かれる。それを加味しながら今行くべきか?

(行くべきだな。今ならまだ生き神の儀式に間に合う…これが罠でなければ)

そう罠の場合、先生が捕まると言う展開が生じる。一番最悪なパターンだ。

でも、先生は弥生の救出を優先する。

「弥生を助けなければ、また瑞樹が泣くからな」

一人呟くと、先生は弥生の救出の為にバリアの薄い場所に移動すると、自分自身にバリアを貼り、姿を見えにくい仕様にして極力侵入反応が出ないように突破を試みる。

(やはりギリギリ入れる)

先に腕を差し入れ確認すると、身体ごとバリア内に侵入する。

(そうか…)

バリアが薄かった事に合点がいく。

島と本土を結んでいた通路の場所だ。これは罠では無さそうだ。だけど、油断は禁物。

ふわりと廊下らしき場所に降り、警戒しながらも先へと進む。

自身のバリアで見つかりにくくはなっていても、見つかる時は見つかる。

(出来れば隠れる部屋が欲しい)

そう思いつつ真っ直ぐな廊下を抜けた先には、信じられない光景が広がっていた。

そこはさっき出掛けたばかりの景色…そう、伊豆家が存在していた。

どうしても進まない!(´ω`*)

皆様ご感想等ありましたらよろしくお願いいたします〜

私に力を(*>ω<*)

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