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把握と行動

かなり先生は慌てている。

まだ向こうの世界から帰ってきて3日。そんなに経っていないのに、なんでそんなに慌てているのだろう。

「ゆっくりし過ぎたって…先生私達がこっちに帰って来てから3日ですよね?」

先生に腕を引っ張られつつも聞いてみる。

「3日?気付いていなかったのか…瑞樹が鈴音の空間で過ごしたのは5日だ。つまり+4日で1週間は戻って経過している。奴にとっては充分過ぎる時間だ」

「1週間!?」

そんなに経過していたなんて…帰って来てどっと疲れた原因がわかった。

目的の部屋に到着すると先生のお父様が梵字などが書かれた円の前に座っていた。

梵字が書かれた陣…それとも曼陀羅?

それも直に床に書かれているのに、それ自体が床から浮かんでいるように見える。

「先生これは魔方円ですか?」

「その様なものだ。これが俺達を向こうへ運ぶ補助をしてくれる」

「2人共準備は宜しいですか?アストラル体だけでなく肉体も運ぶとなるとかなり体力を消耗しますからね」

お父様が確認する。手伝ってくれると言う事かな?

「はい、私は大丈夫です。お父様には影響ないですか?」

「おや、私の心配までしてくれるのですね。うちの息子は良いお嫁さんを見つけてくれました」

にこにこと笑うお父様に対して、先生はムッとしている。まだまだわだかまりがあるみたいだ。

「そんな話はいい。急いで向こうへ行くぞ!サポートは親父あんたにまかせる頼んだぞ」

「大丈夫ですよこちらは任せなさい」

「瑞樹、俺と共に円の真ん中へ」

「はい!」

先生は私の手を再び取り、円の真ん中へ誘導してくれた。

「俺の腕にでも掴まって目を閉じていろ」

そう言われて慌てて目を閉じると、先生が何か呪禁みたいなものを唱え始めた。

目は閉じている筈なのに、目の前が明るく光り、様々な梵字が現れては消えを繰り返している。目を開けて見てみたいけど、誘惑に負けたら何が起こるかわからないから我慢する。

そのまま我慢し続けていると、現れては消えていた梵字が現れなくなり、最後には明るさも無くなった。そして先生の声も消えた。

先生の腕を掴んでいたが、それでも先生が隣にいるのか不安になってくる。

「先生?」

我慢出来ずに呼んでみても、隣からの返事はない。どんどん不安が膨らみ、掴んでいた腕に今度はしがみついてみる。うん、先生の体温を感じる。大丈夫、私は無理矢理自分に言い聞かせて不安に蓋をした。

それからの時間が長かった。時間感覚が分からない為一瞬だったのかもしれない。

「もう目を開けていいぞ」

その言葉を聞いて、目を開けた途端に足から力が抜けた。

「おい!こんなところで座り込むな。歩け!そしてそろそろ腕からはなれろ!」

少し文句のオンパレードな先生の頬が紅い気がしたけれど、そんな事は吹っ飛んでしまった。目の前には1週間前に旅立った景色があって…そう、私達は本当に肉体ごと未来に来れたんだ。

「先生!本当に来ちゃいましたね」

「あたりまえだ。俺の力を見くびるな」

「って、先生の実家の実力な気がしますけど」

「…まあ、それもあるが」

「ふふっ、最近今までと違う先生が見れて少し楽しいかも」

「おい、俺で遊ぶな」

ちょっとバツが悪い感じで私を睨んだ。

「さて、ここからは覚悟して行け。2人共無事でいてくれればいいがな」

先生の眼が一瞬で変わった。私もそれを見て気を引き締める。無事でいて欲しい…それをいのるばかりだ。

「あっ、先生。私達この姿でそのまま弥生達に会いに行くんですか?他の人達に会ったら不審者に見られないです?」

「堂々と入るわけないだろ。どれだけ前回練習したんだ。ここからあの部屋に繋げるから瑞樹お前がやってみろ」

あっ、そうか。私はすっかりその事を忘れていた。まだまだこの力を自然に利用するまでには慣れていないという事だ。

「では繋げます」

この間覚えたばかりなのに久しぶりに使う様な感覚だ。前回と違って生身だからなのか…でも少し感覚か違うだけですぐに例の部屋に繋がった。

ドアに手をかけると、心臓がドキドキと高鳴る。

ガチャリと開いた先には…呆然と立ち尽くし俯く睦月がいた。

「睦月…?」

私が声をかけた事で睦月はようやく私達に気づいた。その表情にドクンと再び心臓が鳴った。

「瑞樹…先生…俺。何が何だかわからないんだ。例の窓が消えて…弥生が何処にもいないんだよ」

泣きそうな表情だった。

「睦月詳しく説明しろ。動くのはそれからだ」

唯一動ける先生が睦月の肩に手を置き、優しくテーブルに誘導する。私も辛うじてそれに着いていく。

そうだ。覚悟しろとは言われていたんだ。私も頑張って動かないと。

「まずいなくなる前の弥生の様子は?」

「2人が帰ってから弥生が少しおかしかったんだよ。仲間を見つける事と羽島側の人間を把握する事、それをやらなければならないのに…何故か無気力と言うか、かなりの時間をこの部屋で窓の向こうを見ながら過ごしていたから、俺は注意したんだ。俺だけに任せるな、おかしいぞって…」

「俺のミスだな。窓を作らせるべきではなかったと言う事だな」

「あっ、でも。その時はわかったって言ったんだ。少し時間くれとは言われたけど。なのに…昨日から窓が消えて弥生も居なくなって。だから2人の姿を見た時は本当に安心したんだ」

全てを吐き出して、ようやく睦月の心も動き出したみたいだ。

「かなり弥生は気持ちのバランスが崩れていたみたいだな。空間の練習にこのエサをつけた俺の判断ミスで向こうにシッポを掴ませてしまったと言う事だ。お前たちはここで待っていろ。後は俺が確認してくる」

先生は立ち上がると目の前から一瞬で何処かに向かってしまった。

「先生…」

私と睦月はここで待つしかない。

「睦月。弥生は先生に任せて、私達は私達で出来ることをしましょ」

「ああそうだな。ここから俺も挽回する」

私達も出来ること探す事にしたのだった。

月一が定着しつつある…まだまだ頑張らなければ─=≡Σ((( つ•̀ω•́)つ

ご意見ご感想等ありましたらなんなりとお願い致します…φ(..)

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