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時渡りの能力

1ヶ月以上空いてしまいましたm(_ _)m

また頑張ります❗️

「貴方の一族についてです。先程もお伝えした通り、巫女の一族は生き神になるに適した一族です。そして舞えば、留まる魂ですら簡単に浄化する事ができる」

私は静かに頷く。

「そしてもう一つの能力があります。それが時渡りです」

時渡りって…私はそれが一族と繋がっているとは思っていなかった。

「時渡りが一族の能力なんですか?」

「そうですね。あれは一族の中でも稀な能力ですから、あまり重きを置いていませんでした。羽島にあなたが奪われなかったのは幸いでした」

そうなると…私の脳裏には弥生が浮かぶ。

「あの…と言うことは、未来の世界で時渡りをする弥生は?」

「時渡りができると言う事は、おそらく弥生さんも一族の血を継いでいる方となるでしょう。しかし、普通の時渡りは未来にしか行けなかったはずなのです。そこが少し心配ですね」

「心配?」

「通常の時渡りではないと言う事は、私達が知らない何かが起こる可能性があります。現に羽島は貴方達を利用し、未来を手に入れている。そう言う危うさが秘められた能力です」

うん、確かにそうだ。今の話だと弥生の過去への時渡りがなければ私達は出会えなかった。でも…

「羽島は私達が動き出す前から未来を思い通りに変えようとしていたと聞きました。彼も時渡りが出来るのではないのですか?」

「時渡りは一族の女性だけに受け継がれます。そして男性に受け継がれるのが未来視です」

「未来視…」

私が呟くとお父様はこくりと頷いてくれた。

「彼も一族の血を継いでいたのは間違いないでしょう。どう動けば、未来が変わるかを知っていた。だから未来を変える力があるようにみえる。しかし、貴方達みたいな時を渡るような絶大な力は無かった。そこで貴方達を利用したのです。つまり過去へ来ることが出来た弥生さんがいた事で、彼は未来を見るだけでは無くなったと言うことです」

私と弥生は時渡りを羽島に利用された。わかっていたけれど、改めて悔しくなる。それも大和を使ってだ。私はあの時大和を微塵も疑う事が出来なかった。彼氏として、そして相談相手としても…。

だけど、もう過去は戻らない。次は間違えなければいい。決めたのだから…弥生達の為に神にでもなると。

「正嗣が起きてきたら、正式に正嗣が当主になる儀式を行います。それが済めば彼に移動した記憶が定着する。記憶量の多さで倒れる事はなくなりますよ」

「あっ…」

お父様の言葉で気がついた。私が嫁になればアストラルの鍵について話すと言う事だったけれど、記憶の継承についてを話した時に跡継ぎ候補の話をしていた。私が嫁になるって言っちゃったから、先生は当主になるしか選択肢が無くなっちゃったんだ。

今更気づくなんて…全然先生の気持ち考えてなかった。

「あの…先生が当主になる話って延ばせないんですか?」

恐る恐る聞いてみる。今先生が当主となるのは先生も望んでないはずだから…

「延ばせば正嗣は度々頭痛に悩まされ続ける事になりますので、儀式は執り行いますよ。ですが、正式なお披露目は全ての問題が解決した後で大丈夫ですよ。まあ、すぐに戻るのは彼が納得しないと思いますしね」

お父様はにっこり笑った。私は理解ある方でよかったと安堵した。

「ですが、とにかく二人共無事に戻ってきて下さいね。それは絶対の約束です」

「はい、絶対に戻ります」

私は言葉にしながら、心の中でも強く誓った。

あとは…先生が起きるの待つだけ。

そう思った時だった。

「瑞樹!急いで儀式を行ってから向こうへ行くぞ!」

さっき倒れた先生が部屋に飛び込んできた。

「先生!大丈夫なんですか⁉︎」

明日の話だと思っていたから、ビックリしてしまう。

「さすがだな、私でも1日近く意識がなかったのだが、お前は1時間も経たずにめざめるとは…」

「そんな事はどうでもいい。儀式でこの記憶を完全に定着させたら弥生たちの所へ急いで行く!弥生が奪われたら終わりだ」

先生は鬼気迫る表情で私たちに言い放った。

「先生!落ち着いてください。弥生は大丈夫ですよ。睦月もついてますから」

「そうよ。正嗣さんあなたがそんなに取り乱していたら瑞樹ちゃんが不安になるじゃないの」

今まで静かに見守っていたお母様が先生を諭す。

ようやく先生の身体から力が抜けた。

「悪い…予感がするんだ。もう間に合わないかも知れないと…」

先生が当主として得た知識に何か重大なものがあったのだろうか。

その言葉にお父様が立ち上がる。

「わかりました。すぐに執り行いましょう。ですが、未来へ向かうのは明日の朝一にしなさい。不安なのはわかるが、瑞稀さんの体力が持たない」

「…わかった」

先生がお父様の言葉を了承する。

「だったら正嗣さんの儀式は時間かかるから、瑞樹ちゃんは一度寝ちゃいましょう。特にやることもないしね。そうすれば早めに出発出来るでしょ?」

お母様の提案に納得したのだろうか、私をお母様に任せると、先生はお父様と共に出て行ってしまった。

「じゃあ、瑞樹ちゃんはこのお部屋にね」

と、お母様の言葉と同時に私の横には扉が現れていた。

「では、よろしくお願いします」

お母様にお願いすると私は一度眠ることにしたのだった。

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