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舞姫

先生に頭を撫でられた私はちょっと幸せを感じた。さっきお母さんに撫でられた時の中途半端な感情が、先生に撫でられた途端に蘇ったのかもしれない。

でも先生の優しさも感じたから全部ひっくるめての感情が正解だと思う。

「先生ただいま」

「あぁおかえり」

二人で笑いあっていると、背後からそれを邪魔する様な声が掛けられた。

「再会の所申し訳ないが、正臣の所に戻らなくてもいいのかの?」

先生は静音さんに頷く。

「瑞樹戻るぞ」

「えっ?まだ試練の途中ですよ」

わたしは確認する。先生が居た時点でおかしいなとは思ったけれど、聞かずにはいられなかった。

「事情が変わった。この霊達には申し訳ないが延期だ。それと…静音あんたも来てくれ」

「まあ、仕方がないの。ほれ瑞樹延期じゃ延期、正臣の所へ向かうのじゃ」

静音さんまで延期で納得している…私だけが駄々を捏ねても仕方ないだろう。私は先生の言葉に従う事にした。

「向こうへ戻ったら説明があるんですよね?」

「あぁ、俺の父から説明がある」

「アストラルの鍵についてですか?」

「…羽島正人についてだ」

その名前が出た途端だった。

「羽島正人だと!」

今まで静かに聞いていた静音さんの表情が怒りに変わった。

「彼奴また性懲りもなく来おったのか!」

「来てないが、今俺たちと敵対関係にある。だからその話に参加して欲しい」

ふんっと静音さんは鼻を鳴らす。名前を聞いただけで怒りが収まらなくなるほどの何かが昔あったのだろうか。

そんな事を考えていると、先生が私が手に持っていた物に気付く。シャラシャラ鳴ってはいたけれど、私もすっかり忘れていた。

「それはなんだ?」

「えっと、試練の最後に記憶の中のお母さんに舞を習ったんです。お母さんが消える時に一緒に消えると思ってたんですけど、消えなかったんですよね」

それを聞いた先生と静音さんは顔を見合わせている。頷き合うと、先生が私の肩を掴んだ。

「瑞樹。それがあれば簡単に浄化できるぞ」

「えっと…これで?」

「なんじゃ、わかってて手に入れた訳ではないのか」

「最後にお母さんと何かしたかったんで、舞を習う景色に惹かれたと言うか…でもあまりお母さんとの記憶に無いなあ〜とは思ったんですが」

私がよく判らずに返事をすると、先生がさっきと違い、頭をガシガシと撫でられた。

「感覚が鋭くなってるのかと思ったら、それが答えか!まあいいだろう。延期でなく、今彼らに舞ってやれ」

「えっ…え〜〜!今ここで一人でですか!」

先生の言葉に私は焦った。だって、今習ったばかりですよ!人に見せられるレベルでは…

でも、先生と静音さんは私を霊達の前に誘導を始める。

「下手ですよ!さっき習ったばかりだし」

「上手い下手は関係ない。要は彼らの浄化を心から願えるかだ」

拒否は出来そうにない。だったら…

「先生達は後ろ向いてくれますか?」

「なぜじゃ?」

静音さんが素直に聞き返してくる。

「見せられる舞じゃないですから、恥ずかしくて集中出来なくなるじゃないですか。だから集中出来るように二人は見ないで下さい」

「わかったわかった、だったら正嗣は先に帰っていろ。じゃが、妾は見届け人じゃからの」

結局先生が先に戻り状況をみんなに話す事で決着した。まあ、先生に見られないだけいいかな?

先生が帰った所で私は改めて霊達の前に立った。あの短い練習でどれだけ踊れるか判らないけれど、お母さんに合格を貰ったんだから…なんとか踊りきって浄化する。彼等の為にも、そして私自身の為にも。

シャランと頭の上で1回鈴を鳴らし、私は踊り始めたのだった。

更新遅くなりました(*´Д`*)

今までと違い出来上がったものを即更新しております。誤字脱字等ありましたらご容赦ください

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