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完了!

「静音!瑞樹は何処だ」

先生は移動すると同時に静音さんに叫んだ。

「おぉ正嗣ではないか、久しいの」

「挨拶は後だ、瑞樹は?」

「ほれっ、あそこに写っておろう。彼奴らの魂を浄化する為のヒントを探しておるよ」

静音さんは外からしっかりと見守ってくれていた。でも、先生は静音さんの肩を掴むと

「今すぐ中止だ。親父の所へ戻す」

「なっ、何があったのじゃ⁈」

「詳しい事はわからんが、親父が中止だと言っている至急でたのむ!」

だけど…静音さんは、私の映像を見つめたまま考え込んでしまった。

「恐らく中止は無理じゃ。今彼女を強制的に戻すと、彼女のアストラルに影響が出てしまう。危険すぎる」

「なんだと…瑞樹に危険が及ぶ様な干渉をしていたのか?」

先生は静かだけど怒っていた。ゆっくりと心を鎮めながらも、怒りが収まらない。

その姿に静音さんは気付きながらも、話を続ける。

「普通の試練じゃよ。だがな、普通の試練でも中途半端に止めれば危険はある。だからこそ、今の状態での中止は無理だと言っておるのじゃ。まあ、もう少し落ち着いて待て」

そう言うと静音さんは、先生の横に椅子を出した。自分の分も出すと、静音さんが先にストンと座った。渋々先生も座ると、静音さんが確認する。

「正臣が中止と言った経緯はなんじゃ?」

「瑞樹が時を渡る力があると話した途端に中止だと言っていた」

「なるほどな…確かに正臣なら焦って中止だと言うじゃろうな。まあ、大丈夫じゃよ。あの子なら上手くやるはずじゃ」

「だったらいいが…で、瑞樹はあとどのくらい掛かる?」

先生は気になっていた事を確認すると、静音さんがにやりと笑った。

「なんじゃ、正嗣貴様かなり瑞樹の事が大切みたいじゃな」

「ふんっ、瑞樹は弟子の一人だ。大切に決まっているだろう」

「弟子の一人と言う事はまだ弟子がおるのか?」

「ああ、時を渡った向こうにな。成り行きでいろいろ教えている」

「なにっ?お前も時を渡ったのか⁈」

静音さんはかなり驚いているが、その瞳には好奇心の色が溢れていた。

「あんたも行きたいなんて言わないでくれよ。あんたはこの伊豆家には無くてはならない存在だからな」

静音さんが言葉にする前に先生が止めた。すると静音さんは胸を張っていいきる。

「当たり前じゃ、妾が居なければこの伊豆家の存続は難しいからのう…じゃが、お主が戻らなければ同じじゃがな」

ヤブ蛇と言う様に先生が、静音さんから視線を外す。

「妾としては瑞樹はこの伊豆家いとうけに合うと思うがな。彼女の身内も居ない様じゃしの」

「身内がいない…だと?」

先生が目を見開く。

「なんじゃ、知らなんだか。彼女のアストラルを覗いた限りでは、両親は亡くなっておる様だぞ。不甲斐ないのう…まだ彼女から話して貰ってもいないとは」

静音さんは仕方ないのうと言いながら首を横に振る。先生はと言うと、何か考え込んでしまっていた。

家族に関しては私にとって話しづらい話題だった。何故なら話せば必ず空気が重くなるからだ。だから自然に話す流れにならない様に誘導するのが常になっていた。

それに弥生に親子の情などを語りながら、自分にも両親が既に居ないとは言えなかったからでもある。まあ居ても居なくても、私は両親を愛していたから問題はないのだけれど…

先生にそんな事実が知られているとも知らず、私は未だ母と幼い私と共に舞を覚えようと必死に舞っていた。


「はい、ここで鈴を鳴らして」

「「はい!」」

私と幼い私は同時に返事をする。

「最後に鈴を捧げて」

シャラララランと鈴が時を惜しむ様に鳴り響いた。

何回も何回も同じ舞を繰り返したが、これが最後みたいだ。

お母さんが、幼い私の頭をくしゃりと撫でる。私は昔から頭を撫でてもらうのが大好きだった。頭を撫でられる為にいろいろな事を頑張ったし、いろいろな出来事を両親に話した。

もう一度頭を撫でてもらいたい衝動に駆られたが、今のお母さんに私は見えていない様子からして無理だと私は思っていた。ふっと見るのが辛くなり目を伏せた瞬間だった。私の頭に手が乗る感覚がした。

「えっ!」

「貴方も頑張ったわね。合格よ」

視線を戻すと、お母さんの優しい顔が近くにあり、私は頭を撫でられていた。

もう叶わないと思っていたのに…突然の幸福に私が目に涙を溜めた瞬間だった。目の前にいたお母さんが消え、大きな赤い鳥居が現れた。

「何なの!もう少し幸せに浸らせてくれても良くない?」

私は独り言ちるが、もう戻れる訳では無さそうなので、一瞬でもお母さんに撫でて貰った幸せを胸に抱いて静音の元に戻る事にした。

鳥居を潜ると見送ってくれた静音さんだけでなく、先生まで待っていてくれた。

「先生!」

「瑞樹無事だったか…」

先生はかなり心配をしてくれていた様だった。

「はい大丈夫ですよ。ご心配をおかけしました」

私が笑うと、先生は自然に頭を撫でてくれた。いつもより優しい先生に私は首を傾げながらも

「まっ、いっか」

と気にしない事にしたのだった。

間に合いません!

少し更新遅れるかもです(*´꒳`*)

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