表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/90

始動…

次の日私は、具合が悪いと職場に連絡して休みを取ると、急いで先生のいる古書店に向かった。

古書店に着くと、ちょうど開店準備をしているところだったらしく、珍しく先生が店先にいた。

「上田先生!」

「瑞樹、どうかしたのか?」

私の姿を確認すると、少し怪訝そうな表情をしたけれど、すぐに店の中へ招き入れてくれた。

そのまま、いつもの白い通路を通って奥の部屋に向かう。普通では無いと思ったのだろうか…ううん、もうすべてが普通でないのだから、あの部屋が一番妥当だと言う事なのかもしれない。

部屋のドアをパタンと閉めると、先生はお茶を淹れながら私に向かって話を求めた。

「何かあったのか?」

「えっと、あの…いつもの様に昨日の夜弥生に会いに行ったんです。でも…少し考え事しながらアストラル面を飛んでいたら、知らない場所に出てしまったんです」

「知らない場所?」

「岩山と丸裸の木々、そして遠くにお墓がありました。でも、なんだか不気味でそこから離れようとしたんです。その途端後から声がして…振り返ったら、一人の男の人が立っていたんです。」

「男が…?」

先生は私の話を聞きながら、いつもの様に分析をかけている。

「はい、その男の人が名前を名乗ったんです。『羽島正人』って…その人、私の会社の会長だったんです。」

名前を聞いた途端、先生の右眉があがり目が鋭く光った。

「なるほどな…お前の会社の名前を聞いて、気になってはいたんだが。やっぱり現れたか」

「現れた?」

先生の言葉に、私はもっと混乱した。

もしかして…先生は会長の事を知っていた?

「先生…?」

「そいつはある組織のトップだよ」

「トップって、うちの会社のトップには違いないけど…それ以外に?」

「ああ、世の中には知られていない組織だよ。秘密結社と言うものが、この世界の闇の部分にたくさんあるんだ。その中の一つにそいつがトップの組織がある。」

(秘密結社…そんなものにも先生が詳しいとは)

そんな事を思ったけれど、その組織は危険なんだろうか?とその方が心配だった。

「秘密結社はわかるか?」

先生が私に聞いてきた。秘密結社…詳しいことは知らなかった。

「えっと、フリーメイソンとかテンプル騎士団とか聞いたことがあるけど…詳しくは」

「そうだなその二つも秘密結社だな。秘密結社って言うものは、宗教がらみの集団が多い。その中にはアストラル面へ出入りしている奴らもたくさんいるんだ。」

「アストラル面に?!」

確かにアストラル面は宗教に近いものはある、ううん近いものではなくて、宗教そのものなのかもしれない。昔から色々と調べてきた私も、色々な宗教団体の名前を書籍で目にしていた。

例えば天国と地獄。人々の想像の世界…全ては宗教によって人々に伝わって、そのイメージでアストラル面に作られている。だからアストラル世界には宗教ごとの天国と地獄が無数に存在している。そう考えると、アストラル面と宗教は切り離す事ができない関係と言う事だ。

「お前も知っている名前だと…そうだな、アレイスター・クロウリー」

「あっ、はい。アレイスター・クロウリーはわかります。彼はアストラルの事を調べれば一番に出てきますから」

私が答えると、よし、と言うように先生は頷いた。

「20世紀初めに創設された国際的な友愛結社にして宗教団体、東方聖堂騎士団。その後、アレイスター・クロウリーの指導下で再編された。そこもまた秘密結社と呼ばれるものだ。そんな風に、アストラル面と宗教、秘密結社は繋がりが強いんだ」

知らなかった…色々と調べていたのに、こんなに秘密結社とアストラル面が繋がりがあるなんて思ってもみなかった。

「しかし、日本にはそんな団体は数少ない。日本の秘密結社でアストラル面に関係している団体は一つだ。《秘密結社ナチュラルバード》そこのトップが『羽島正人』なんだよ。しかし…なるほどな、繋がりがあるかもしれないと思っていたが。とうとう直接接触してきたか。」

「接触って…前から知っていたなら教えてくださいよ!もうびっくりしちゃって、最初嫌な感じがして、【夢の墓場】に行っちゃったかと思ってドキドキしたんですよ。それに会社の会長にまで会うしで、もうなにがなんだか…」

今までの不安が、何故か文句になって私の口から出てくる。

「悪かったよ。確信は無かったからな…知らないなら、知らない方がいいと思っていたんだ。だが、向こうが直接会いに来たなら話は別だ。こっちもそれなりの対抗策を用意しないとだからな」

対抗策?

「先生、対抗策って…戦うんですか?」

「いや、戦うというより、向こうを知っていかないとと言う事だ。聞いた状況だと、向こうはこっちの事をよく知っているらしいからな。向こうの事を知っていないと、向こうの手の内で転がされているだけになるからな。向こうの裏を取らないとと、言う事だ」

「なるほど…そう言う意味なんですね。」

「向こうは相当アストラル面に精通した集団だ。並大抵では適わないぞ。」

「はい…よろしくお願いします」

今は先生に頼るしかない…私はそう思わずにはいられなかった。

いよいよ敵に遭遇した瑞樹…《秘密結社ナチュラルバード》とは

評価等していただけると励みになります。これからもよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ