トータルジャスティス 1ー8
ジェイル、エラルド。15年前に軍事機密だった、人造人間の研究所を襲撃した。アイシャ。その時エラルドが保護した人造人間。10年前、ジェイルとエラルドは対立した。その後、エラルドは亡くなりジェイルは人造人間ホムンクルスとして天下を納めた。
人造人間に支配された世界。そんな世界にエラルドは再び現れた。
[キッサマー!何故だ!][こっちが聞きたい位だ。ジェイル。お前も15年前、俺が殺めたはず。改造前か?][フン。忘れたな。そんな弱き器。人間など利用する価値しか無い!][甘いな。何故、俺達は生きると思う?それは苦しいからだ。苦しいから前に進む。その苦しさから逃れた負け犬が人造人間などと言う輩を造ったのだ!そんな強さに何の意味がある!][見下されたものだな。エラルド。それが答えか?][………俺も死んでいた。だが、片時もお前を忘れた事は無い!お前を取り戻す為に、黄泉の狭間から戻ってきた][父さん!ならまた会えるのね][イヤ。リミットがある。蘇ってから1日。それまでだ。それまでに戦友を取り戻し、残るお前に想いを伝えなくてはいけない。ここは俺に任せろ][小癪な!下がれ!エラルド!][サア、行くか。あの日の続きを]
ジェイルは口から光線を吐いた。涼しい顔でかわすエラルド。ヒュンとジェイルの目前に現れ、後ろ回し蹴りを浴びせる。飛ばされるジェイル。壁にぶつかり追いかけるエラルド。膝蹴りでバランスを崩し延髄に手刀を当てる。床に叩きつけられるジェイル。
[カハッ!………何だ?このインパクト。身が持たん。雑魚が!][そろそろ終わりにするか?俺達の15年の終止符を][マッ………待て!仲間じゃないか?お前と俺は。共に天下を納めようではないか?人造人間と黄泉の天下を][拒む!否決された。果たして人間がそんな物を望んでいるか?人間の理想とは人造人間でも黄泉でもない。次の世代に伝える者がいる。それこそが理想なのだ][貴様!自爆を狙っているな。ならぬ!俺には野望がある!]ユルリと立ち上がるジェイル。首を左右に降り効いていないと見栄を張る。来いと合図をする。エラルドはジェイルに走る。ジェイルは拳を当てる。空振りをするジェイル。そのまま前につんのめる。[消えただと?何処だ!][ここだ!セリャーッ!]エラルドは飛び上がり空中にいた。踏み潰すエラルド。再び床に叩きつけられる。力の抜けたジェイルを鷲掴みにし、バックを取る。[終わりだ!黄泉に返れ!旋風竜巻撃!]エラルドは金色に輝き、光はジェイルを抱き込み天に舞う。二人は上空に舞い上がった。[離せ!貴様!止めるんだ!エラルド!共倒れになるぞ!]ジェイルの記憶が走馬灯の様に現れては消える。全ての記憶が出し尽くした時、ジェイルは消滅した。金色の翼を纏い、降りてくるエラルド。アイシャを見つめる。
[我が娘、アイシャよ。過去は消滅した。私のけじめだ。これからはホムンクルスにこだわらずに生きて行け。いつか語れる時が来ると良いな。それからその青年にも伝えておけ。これからは君らの時代なのだと。お前は少し先の未来が見える。真実の過去とは継承する事。いつかそんな弟子を持て。父はそれを見ている。遠く彼方の国より]目を瞑り、父の話を聞くアイシャ。[これで良い。今は。忘れるな。私の想いはお前の無事を祈る事だと。いずれ道を迷う時、私も誘導すると。良いな]涙を流し下を向くアイシャ。[私…………泣けるんだね。ホムンクルスの私が。父さんが教えてくれた。この希望も夢も全て。見守っていて下さい]頷くエラルド。[また、会える日を楽しみにしてるぞ。アイシャ]頷くアイシャ。[私はもう一人の迷い子を導く仕事がある。心配するな。ジェイルは無事に黄泉へ届ける]エラルドは天高く消える。
[カハッ…………ゴホッゴホッ。何だ?生きてるのか?俺は]忍者カゲツの意識が戻る。[カゲツ!大丈夫?動ける?][ヘヘヘッ。だらしねーなー。肩貸してくれ][高いわよ。私の肩は。行きましょう]辺りを見渡すカゲツ。[奴は?お前が殺ったのか?][そうね。終ったわ。帰りましょう]ミサの試験管を眺めるカゲツ。アイシャは言葉を失った。[俺はミサの為にもホムンクルスの天下を終わらせなきゃいけない。戦い続けた先に俺の正義があるから][協力するわ。まだ死ねなそうね。私達][アイシャ。爆破してくれ。この研究所を][良いの?また逢いたいなんて思わない?][イヤ。俺にはお前がいる。救世主エラルドの娘が。付き合わせてくれ。お前の道の先を見せてくれ][構わないわよ。どうせ一人だし。サア、銀座に戻りましょう。医療物資くらい有るんでしょ?][そうだな]
炎の研究所。それを見ながら二人は誓った。もう誰も傷つけないと。それが正義だと。喩え道を誤っても、守る者がいる正義があると。
トータルジャスティス。完結
次回、ネクスト リザーバー完結編。
夢の矛先




