トータルジャスティス1ー5
赤外線ゴーグルで指示を出すアイシャ。[危険だと察知したら直ぐに戻って][わかってら。アイシャ。ナビは任せた][次を左に。100メーター先に敵が二人][了解]ホムンクルスが二人歩いてくる。カゲツは天井にかけ上がり、小型の探索機を投げる。[奴等とて、元は人間かも知れんからな。働いて貰うぞ][良いわ。こっちでも信号をキャッチした。次の角を曲がって][行き止まりだ。どこかに隠し通路があるはず]カゲツは慎重に壁を探った。カチッと音がして壁が動く。
急にアイシャが苦しみだす。[…………アイシャ。私だ。エラルドだ。その先は危険だ。引き返せ][………その声は………父さん?][そう。かつて私とジェイルが捜査した研究所。爆破したはずだが再生したらしい。つまりそこは君の産まれた場所だ][何があった?アイシャ][何でも無いわ。引き返して][何か見えたのか?][そうよ。ポイントを移動するわ][わかった。早めに解析しろ。いつまでも隠れられそうに無いしな]カゲツは近くの荷物に身を隠した。
[君がここに来る事は知っていた。正確には私が誘導した。君は新たな力に目覚める必要がある。過去を見る能力を。少し先の未来は見える。だがそれでは未完成なのだ。過去を見る能力。それを手にできれば。元々、過去と未来は相似一体の星から産まれた。太陽と月の様に。サンライズとは来るべき未来。サンセットとは過ぎ去りし過去。そしてまた日は昇る。世界が混沌の時代も平和の時代も、その流れは不変なのだ][………わからないわ。父さん。…………逢いたい………][人間は何故苦しみと楽しみを繰り返すと思う?それも相似一体なのだ。私に逢いたいならそれに換わる明るい未来を見る事だ。わかるか?][なんとなく。私はどうすれば?][チップを見つけるのだ。君と正反対の][私と正反対のチップ?][そうだ。後は残された者達でやれ。忘れるな。亡骸は何も語らない。それが自然なのだ]エラルドの影は消えた。
………父さん。私の中に居たの?…………
アイシャは理解出来なかった。
[お待たせ。カゲツ。もう大丈夫よ。私は迷わない。精神の闇に屈する事は無いわ][黒幕さんか。奴は厄介だぞ]
続く




