Blue Sky & Heart To Regret
「なあ、ホントにこれでよかったのか?」
彼は問いかけるかつての三人の戦友達に
「世界を平和にするなんて、笑顔を取り戻すなんて、言いながら」
「たくさんの敵を切り伏せ、薙ぎ払い、突っ切ってきたけど」
「ホントにそれでよかったのか?」
「世界を救えだなんて言われて、選ばれし者だなんてもてはやされていい気になって」
「傷つけ、傷つき、繰り返してさ」
「たくさんの人を救ったけど、代償は大きい」
「終わりよければすべて良しなんて、俺もそう思ってたけど」
「過程が駄目じゃ、終わりがいくら良くったってダメなんじゃないか?」
「あいつの言葉だって正論だったんじゃないか」
「そんな疑念がまとわりついて離れないんだ」
彼は一人により手を掛ける
「結局お前の言ったとおりになったよ、そうだよな、世界を脅かすほどの脅威を取り去ったんだ」
「そんな奴、化け物でしかない、今じゃ俺も追われる身だよ」
「悔しいよな、こんなに代償を払ってまで世界を取り戻したのに」
「やっぱりお前らがいないとつらいな、こんな世界」
風が吹き抜けていく
彼の通す物のない左の袖を靡かせながら
「まだきついな応急処置じゃ」
「さて、いい加減感づかれても困るからな」
「また来月、お前らの≪月命日≫に来るわ」
そう言うと彼は三つの墓標に背を向ける
それを見上げながらつぶやく
「俺らが救ってやったってのに、あざ笑うみてぇな青色しやがって」
「ぶっ壊してやりたいぜ。ってこんなこと言ったらあいつらに怒られちまうな」
そして自嘲するかのような表情で
「何を望んでたんだろうな?俺は、あいつらは、この青空の下に」
彼は歩きだす
それが
逃げるためなのか
答えを出すためなのか
それは
彼の胸の内に
What your hope? 何があなたの望み?
What them hope? 何が彼らの望み?
What my hope? 何が私の望み?
Nobody understands it. それは誰にもわからない
初めての短編
なんだか書きやすくていいね