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忘れもの  作者: Benedetto


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3


 相川は走った。


 彼は走りながら屁理屈のような理屈を考えていた。

『人生は忘れものだらけだけど、その忘れものを少しでも早く回収することが出来れば、それは完全な忘れものにはならなくて済む』と。


 彼は手に提げていた鞄を、強く振りながら走っていたため、中に入っていた『夏休みの工作』で作ったトリケラトプスが、振動で鞄から勢いよく飛び出してしまった。


 そして、彼はそれを走りながら右足で強く蹴ってしまった。


 吹き飛んだトリケラトプスは道路の右端に立っていた電柱に勢いよくぶつかると、身体の胴体部分の多くの割り箸と爪楊枝が折れて方々に飛び散った。


 夏休みが明けた二学期から、今の学校へ転校してきた相川には、夏休みの課題を提出する義務はなかったが、前の学校で友達からプレゼントされた割りばしの恐竜を彼はどうしても完成させて、新しい学校へ持っていきたかったのだ。


 しかし、それは今正に役目を無事終えたかのように、相川の目の前で大破した。


「うわー!!!」



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