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【完結】『無能力転生』冤罪投獄された近衛兵、動かず王国を崩す ――奇行主人公の伏線回収譚  作者: らいすクリーム
第2章【王宮陰謀・最短攻略編】

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第31話【闇の掃除】「ここから先は汚れ仕事だ」――物語の正義をかなぐり捨て、密室で始まる“禁忌の尋問”

【前回までのあらすじ】

王妃前室の警備に強行復帰しようとするセブンは、司法権限を盾にして王道ルートの説得をすべて跳ね返した。

ガルド隊長たちは“証人保護”を理由に必死で止めるが、セブンは逆にその会話を利用して状況を掌握する。

そして――味方が口を滑らせすぎた結果、セブンは「今の会話、全部聞かれてますよ」と“詰み”を宣告する。

「ガルド隊長…今の会話、全部聞かれていますよ。」


 セブンの言葉を聞いた瞬間、二人の肩がビクッと跳ねた。


 ガルド隊長は、セブンの言葉を聞いて驚いた。

 だが、その感情を必死に隠しつつ、ゆっくりと二人の兵士へ視線を向けた。

 そして、必死に声を張る。


「お、俺が…き、気づいていないと思ったか?ハハ…」


 隊長の乾いた笑い声が広間に響く。

 一瞬の静寂のあと、それを無かったことにするかのように喋りだす隊長。


「近衛兵以外は全員疑わしい。ここに立つ理由も、王命の真偽も不明。近衛兵隊長である俺の命令も聞かない…ありえん。」


 重要な情報を漏らした失態を取り繕うように、早口でまくし立てる。


 二人の兵士は青ざめ、一歩後ずさる。

 ライエルが剣の柄に手をかけた。


「おいおい…黙ってるってことは、ヴァルステイン卿との関係を否定できねぇってことか?」


 エリシアは怯えたように二人を見つめ、王妃殿下は静かに目を伏せた。

 ガルド隊長が口に握った手を当て、咳払いしてから言う。


「お前たち。今ここでの会話はすべて記録される。王国司法官の調査対象だ。」


 二人の兵士は震えながら口を開く。


「ち、違います!我々はただ任務を――な、何も知りま…!」


「黙れ。」


 隊長の一言で、二人は完全に口を閉ざした。

 威厳を取り戻した隊長が続ける。


「セブン。お前がここに立とうとした理由はこれか――“敵の手先”の前にあえて立ち陽動を…。」


 流れが変わった。

 ここで一気に押す。


「ガルド隊長…私とて無能ではありませんよ。」


 俺はニヤリと上目遣いで隊長に目配せする。

 そしてライエルに向き直り。


「ライエル近衛兵!この者どもをひっ捕らえよ!」


 驚きで抵抗する事を忘れている二人。

 俺とライエルであっさりと拘束した。


「ありがとうライエル。お前はこのままこの前室警備の任についてくれ。」


 ライエルの目が点になる。


「おい、これからどうするんだセブン?」


「大丈夫だ、ここは任せてくれ。」


「それからエリシア…この先は…見ないほうがいいだろう。王妃殿下とともに殿下の部屋にもどってくれ。」


「この先は…汚れ仕事だ…。」


 俺は二人の顔を間近で覗き込む。

 兵の顔色が変わった。


「隊長…行きましょう。」


 そう言うと俺は二人を後ろから押し、控の間に向かう。

 兵は突然の拘束とこの先の不安で抵抗できなかった。


 控の間に二人を入れ部屋の中央に押し進める。

 後から入ってきたガルド隊長を部屋の中に案内し、扉を締めた。


 そして内側から鍵をかける。


 ガチャッ…。


 誰も音を発しない。

 “物語”が追いついていない。


 ガルド隊長を見る。


 俺が“汚れ仕事”という言葉を口にし、兵士の顔を覗き込んだ瞬間から、隊長の表情は引きつったままだ。

 眼は鋭いが、口が半分開いている。


 俺が二人の方へ進もうとした瞬間、ガルド隊長に腕を掴まれた。

 強くはない。だが、逃れられない力だった。


「セブン。」


 隊長の声は低く、“止めなければならない相手に向ける声”だ。


「その先へ進むな。」


 ライエルも、エリシアも、王妃妃殿下もいない。

 控え間には、縛られた二人の兵士と俺達だけ。


 隊長は俺の目をまっすぐに見据えた。


「セブン。お前がやろうとしていることは、近衛兵の権限を超えている。」


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