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【完結】『無能力転生』冤罪投獄された近衛兵、動かず王国を崩す ――奇行主人公の伏線回収譚  作者: らいすクリーム
第2章【王宮陰謀・最短攻略編】

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第30話【情報の死刑宣告】「今の会話、全部聞かれてますよ」――饒舌すぎた味方と、セブンが突きつける“詰み”の事実

【前回までのあらすじ】

王妃暗殺未遂の真相を聞かされたセブンは、物語の修正力が押しつける“王道の捜査ルート”を拒み、強行的に前室警備へ復帰しようとした。

ガルド隊長・ライエル・エリシア・王妃殿下は総出で彼を止めるが、セブンは敬礼と覚悟で逆に押し返す。

追い詰められたセブンは、王宮内の権限構造そのものを利用し「王国司法官の所轄だ」と責任転嫁し、王道ルートへの最後の抵抗を試みる。

「これは単なる都市内の犯罪ではありません。王宮内の重大凶悪事件です。王国衛兵ではなく、王国司法官の所轄になるかとおもいます。」


 近衛兵としての誇りと、冷静な法的理解を示してみせる。


 そして――最初に食いついたのはやはりガルド隊長だった。


「その通りだセブン。これは都市の治安維持の範囲ではない。王宮内で起きた“暗殺未遂”。王国法では、王族に対する犯罪は”王国司法官”の専権事項だ。」


 隊長はセブンの言葉を、正確に受け止めている。


「だがな。」


 隊長は続ける。


「司法官が動くには“証人”が必要だ。そしてその証人は――お前しかいない。」


 ライエルが苦い顔で言葉を継ぐ。


「つまりだセブン。司法官の所轄になるってことは、お前は“証人保護対象”になるってことだ。証人が前室警備に立つなんて、司法官が絶対に許さねぇ。」


 エリシアも静かに頷く。


「セブン様…司法官が動くためには、あなたが生きていて、証言できる状態でなければなりません。」


 王妃殿下が一歩前に出て、あなたに向けて静かに言う。


「セブン。あなたの言う通り、これは司法官の領分です。

 ですが――司法官が動くためには、あなたが“守られていること”が前提なのです。」


 殿下はあなたをまっすぐ見つめる。


「あなたがここに立つことは、司法官の捜査を妨げる行為になります。

 あなたが狙われれば、真実は闇に消えるからです。」


 ガルド隊長はセブンの肩へ手を置いた。


「セブン。お前の判断は正しい。だが結論は一つだ。司法官の所轄になるということは、お前は“前室警備に立てない”。立たせてはならない。それが法であり、王国の秩序だ。」


 ここで引く俺ではない。


 ならば俺の命に危険がなければ大丈夫ということ。

 それならば俺に警護をつければいい。


「ライエル近衛兵!そのニセ前室警備兵をどけそこに立て!これで我ら2人で前室警備だ。

 そしてお前はこの暗殺未遂事件の証人である私をそこで護衛せよ!」


 俺はふうこれでよし、という笑顔で額の汗を拭った。


 ライエルは、俺の唐突な指示を聞いた瞬間――

 まるで理解が追いつかないという顔。


 俺は兵をどかしてライエルをそこに立たせる。


 押しのけられた前室警備の兵士たちは、ライエルよりも混乱。

 完全に状況が理解できず、ただ呆然と立ち尽くす。


 ライエルは頭を抱えた。


「いや待て待て待て待て!なんでそうなる!?なんで“証人の護衛”が“前室警備に立つ”になるんだよ!!」


 ガルド隊長は本気の困惑。


「セブン。お前の言っていることは…一見、筋が通っているようで…全く通っていない。」


 隊長はあなたの肩に手を置き、真正面から言う。


「証人を守るとは、危険から遠ざけることだ。

 その証人が、最も狙われる場所に立つなど――護衛の概念を壊している。」


「そうだぞセブン!お前が前室に立ったら、俺は“王妃殿下とセブンを同時に守る”っていう無理を押し付けられるんだよ!!」


「セ、セブン様…どうか…どうか落ち着いてください…その案はその、護衛というより自殺行為です…。」


 王妃殿下は、忠誠心を理解しつつも静かに首を振った。


「セブン。あなたの忠義は尊いものです。ですが…あなたがそこに立つことは、私を守ることにはなりません。むしろ、あなたを狙う者に“絶好の機会”を与えます。」


「どうか、戻りなさい。あなたは“前室警備”ではなく、“王国の証人”なのです。」


 よしよし、ここにいる全員が俺の術中にある。


 ここまで、ずいぶんと喋ってくれた。



「ガルド隊長…今の会話、全部聞かれていますよ。」



 セブンの言葉を聞いた瞬間、


 二人の肩がビクッと跳ねた。



『…ヴァッァァァアアァアアアァア』

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