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【無能力転生】主人公に間違えられ”物語”に冤罪投獄されたが絶対やり返す!  作者: らいすクリーム
第1章【冤罪牢獄・プロット破壊編】~物語の強制力を拒絶し、俺は一歩も動かずに勝利する~

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第16話【人外の観測者】明かされる影の正体。そして、天井裏で繰り広げられる「場違いな恋愛事情」

開いた天井からの空気が生ぬるい

「影、影っていうけど人じゃないの?人じゃないとしたら何者?

 正体知ってたら教えてほしいんだけど。」


「それ聞く? いや聞くよね…でも説明むずいんだよな…」


 エリシア、慎重に言葉を選ぶ。


「…影は、人ではありません。少なくとも、普通の人間ではない。」


 エリシアは続ける。


「影は…王宮の裏で動く“観測者”のような存在です。

 誰の味方でもなく、誰の敵でもない。ただ“見ている”だけなのです。」


「足音もしない。呼吸も聞こえない。気配もない。でも“いる”。

 気配を消してるんじゃなくて…最初から“存在してない”みたいなんだ。」


 妙に息が合ってるな…こいつら付き合ってるのか?もしかして。


 たまにはルートから逸れた様な質問をしてみてもいいだろう。

 俺は見えない何かに対して揺さぶりをかけてみる。


「で、お前らいつから付き合ってるの?そもそも知り合いだったっけ?」


「なっ…!?つ、つつつ、付き合ってねぇよ!!」


 ライエルは真っ赤になって逆さまのままモジモジした。

 逆さまのまま手足を動かすので天井板がガタガタ揺れる。

 エリシアは横でため息をつき、しかし耳がほんのり赤い。


「…単に状況が緊迫しているだけです。」


「いやエリシア!? なんか言い方冷たくない!?」


「事実を述べただけです。」


 二人の温度差がすごい。


「いいかセブン。俺とエリシアは“仕事上の知り合い”だ。それ以上でも以下でもない。」


 エリシアも淡々と続ける。


「ライエルとは、王妃殿下の護衛任務で何度か顔を合わせています。

 ただし、深い関係ではありません。ただの協力関係です。」


 しかし、二人の声が微妙に揃っているのが気になる。


「だから、私たちは影は“人ではない”と判断しています。」


 おっと、ここで話を影に戻されたか。


 しかし影のことについては核心的なところを語らない。

 …まだ核心は話す気がない、ってことか。


「ライエルに影のこと聞いたときライエルは『その“影”は…王宮の裏側を知り尽くした男だ。

 俺たち近衛兵が一生かけても届かない場所にいる』って言ってたけど?」


 ライエルが真剣な表情になる。


「王宮の裏を知り尽くした“男”だった。それは確かだ。でも…今も人間かどうかは分からない。だから“男”って言うのも、正直ためらう。」


 そして二人は俺を見つめる。


「影があなたに接触した理由がわからないのです。」


「あいつは王妃殿下にも、隊長にも、そして王にも興味を示さない。

 なのに、お前には話しかけた。それが一番の謎だ。」


 ふむ。影については亡霊みたいなものだと考えておこう。

 これ以上の情報は出てきそうにない。

 さっさと話しを前に進めよう。


「俺は無実だ。それは、ここにいる全員が知ってる。

 助けてくれませんか?元通り近衛兵として復帰するのが希望なので。」


 逆さまのまま真顔で語るライエル。


「それをできる状況なら、俺たちはこんな苦労してない。お前が無実なのは全員知ってる。でも“無実だと知ってる側”が全員、今は動きづらい立場なんだよ。」


 エリシアは冷静に状況を説明する。


「あなたを助けるには、あなたの無実を証明する証拠

 もしくはヴァルステイン卿の不正を暴く証拠 が必要です。」


 証拠が必要…か。


「それが揃えば、あなたは堂々と釈放され、近衛兵として復帰できます。

 あなたの希望は、私たちが必ず叶えます。ただ…少しだけ時間をください。」


 しかし俺にはどれだかの時間が残されているのだろう。


「俺の無実を証明する証拠もしくは、ヴァルステイン卿の不正を暴く証拠 があればいいのか。

 よし次に俺に会いに来る人に聞いてみよう。」


 天井の二人は同時に


「いやいやいやいや!」


 と声を上げた。

 ライエルは逆さまのまま手を振り回し、

 エリシアは珍しく声を荒げる。


「もし次に来るのが“味方じゃない誰か”だったらどうするんだよ!影とか、ヴァルステイン派とか、あるいは“お前を消しに来た奴”だったら!」


 エリシアも冷静だが明らかに焦っている。


「セブン。あなたの牢の鍵は“外側から壊されていた”のです。つまり、次に来る者はあなたを助ける者とは限らない。」


 大きな流れにまた戻されたような気がする。


 …簡単には、出してくれないってことか。


「わかった。お前たちを信じて待つことにするよ。」


「はい。あなたの無実を証明する証拠。それを必ず見つけます。」


「ヴァルステイン卿の尻尾も掴むぜ。それまで絶対に死ぬなよ。」


「…縁起でもないことを言わないでください。ライエル。」


「いや、そういう意味じゃなくてだな!」


 二人のやり取りに、ほんの少しだけ空気が和らぐ。

 やっぱり付き合ってんのかなこいつら…。



  二人の気配が消え、牢に静けさが戻る。


 誰かが見張っている気配もない。


 ただ、牢獄特有の冷たい空気だけがそこにある。


 …本気だな、あいつら。

あとがき

ライエルは近衛兵のなかでも腕が立つ剣士です

セブンは普通の人なので中くらいの腕です

よんでいただきありがとうございますう!

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