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【無能力転生】主人公に間違えられ”物語”に冤罪投獄されたが絶対やり返す!  作者: らいすクリーム
第1章【冤罪牢獄・プロット破壊編】~物語の強制力を拒絶し、俺は一歩も動かずに勝利する~

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第15話【天井裏の密談】消えた隊長と壊された鍵。出たくない俺を外へ引きずり出す「物語」の悪意

訪問者が多い牢獄

「あなた、本当に“ただの近衛兵”なの?」


「よし。これで四人の協力体制が整ったわけだな。」


 隊長は指を数える。


「王妃殿下、私、ライエル、エリシア。そして……影と名乗る者は保留。

 ここまで来たら、お前はもう“中心人物”だ。

 望む望まないに関わらず、皆がお前を軸に動いている。」


 …またか。

 俺は、こっそりため息をついた。


「隊長…その”望む望まないに関わらず、皆がお前を軸に動いている。”って…

 それ、物語の主人公が言われるセリフじゃないですか。

 もっと華のある勇者とか王子とかに、バーンと解決してもらいましょうよ。」


 ガルド隊長は”ああ、コイツまた言い出したな”という顔になる。


「勇者? 王子? ヒーロー?

 そんな都合のいい連中がいたら、とっくにこの国は平和だ。」


 隊長はため息をつきながら続ける。


「それに…そういう“華のある連中”はな、大抵こういう陰謀には巻き込まれん。」


「ああいう連中は表で剣を振るうのが仕事だ。

 これは、お前が主人公だからじゃない。“中心に据えられるだけの価値がある”ってだけだ。」


「…そうよ、セブン。勇者や王子より…あなたの方が、私は信じられる。」


「殿下、それは言い方が誤解を招きます。」


「ち、違うのよ!?そういう意味じゃなくて…その…あなたは人の話を聞くし、

 逃げないし、変に格好つけないし、そういうところが…その…信頼できるのよ。」


 …あ、これ面倒な流れだ。


 ガルド隊長はまとめに入る。


「安心しろ。物語を解決するのは俺たちだ。お前は生きると決めた。それで十分だ。」


「では王妃殿下、ガルド隊長。くれぐれもお気をつけて…。

 私のことは心配なさらず、存分に陰謀を解き明かしてください。」


 そのセリフを聞いた瞬間、ガルド隊長と王妃殿下が顔を見合わせる。


「お前のその“俺はここで昼寝してるから大丈夫です”みたいな態度…正直、逆に不安になる。

 だが安心しろ。お前を巻き込まない形で動く。それが俺たちの役目だ。」


 そして二人は去っていく…。


 階段を上がりながら殿下が振り返る。


「…必ず戻るわ。あなたを迎えに。」


 二人の足音が遠ざかり、牢獄に静けさが戻る。

 俺は一人事件の解決を願った。


 …まあ、なるようにしかならん。

 そう思ったところで、意識が落ちた。




 サラサラ…


 パラパラパラ…


 牢獄の天井から、砂がパラパラと落ちてくる。


 最初は小さな音だった。

 だが、次第に量が増え、肩や髪に落ちてくる。


 天井が…わずかに揺れている。何かが“這っている”ような。


 石板の一枚が「ガコンッ」と外れる。


「…おい、セブン。起きてるか?」


 聞き覚えのある声だ。軽くて、飄々としていて、信用できるが信用できない…ライエルだ。


「状況が変わった。」


 天井裏から、もう一つの影が動く。軽い足音。柔らかい気配。エリシアか!?

 緊張を帯びた声でエリシアが話し始める。


「…セブン。牢の外で“動き”がありました。

 まず一つ目、ヴァルステイン卿の部下が、王妃殿下の居室周辺を封鎖し始めた。

 そして二つ目、ガルド隊長が“行方不明”になりました。」


 空気が凍る。


「そして三つ目…。」


 ライエルが天井裏から身を乗り出し、あなたの目をまっすぐに見つめ言う。


「セブン…お前の牢の鍵が、誰かに“外側から”壊された。」


 それを聞いた瞬間イラっとして本気の声が出る。


「はぁ?!」


 俺が居眠りしてた隙に…誰が!?

 これで俺はここに閉じ込められてしまったのか。


 エリシアが説明する。


「つまり…何者かがあなたを“出そうとしている”。私たちではありません。」


 …出そうとしてる?

 鍵、壊れたって“開いた”方かよ。


「しかしお前ら…どうして天井裏から?前は普通に歩いてきたのに。」


「牢の周り、監視が増えたんだ。だから天井裏ルートを開拓した。」


 エリシアが冷静に補足する。


「ライエルが古い部屋とか隠し通路に詳しくて…。

 あなたの牢の周囲は、すでにヴァルステイン派の監視が強化されています。

 正面から来るのはもう危険な状況です。」


「だから、天井裏から来るしかなかったってわけさ。

 それにセブン。牢の前の廊下、さっき“影”が通ったんだよ。」


 エリシアが小さく頷く。


「あれは…普通の人間の歩き方ではありませんでした。」


「おい、やめろよそういうこと言うの!怖いよぉ」


 なんだこいつら…こっちは遊んでるわけじゃないぞ。


「で、セブン。どうする?影が動いてる。

 王妃殿下は危ない。ガルド隊長は行方不明。」


 エリシアも静かに続ける。


「あなたの牢の鍵は“外側から壊された”。誰かがあなたを外に出そうとしています。」


 影とは一度会っているが短い会話だけだった。

 …人間じゃない?


 もうここに来る奴らのペースに巻き込まれるのは嫌だ。

 こういう時は普通に聞いてしまおう。


「影、影っていうけど人じゃないの?人じゃないとしたら何者?

 正体知ってたら教えてほしいんだけど。」


あとがき

ライエルはイケメン…エリシアは美人…

ほほう…こいつら…

読んでいただきありがとうございます!

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