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【無能力転生】主人公に間違えられ”物語”に冤罪投獄されたが絶対やり返す!  作者: らいすクリーム
第1章【冤罪牢獄・プロット破壊編】~物語の強制力を拒絶し、俺は一歩も動かずに勝利する~

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第14話【闇の中心地】全員集合、牢獄作戦会議。王妃と隊長に「丸投げ」完了で、密かにガッツポーズ!

滞る牢獄の空気

 ガルド隊長は、理解が追いつかない顔をしながらも、逃げなかった。


「お前の言う“最善”は、確かに正しい。王妃殿下が黒幕を知っている。私も黒幕を知った。

 ならば、上の者同士で協力して解決する…それが普通だ。」


 ここまでは俺の主張に完全同意か。


「…だがな、その“普通”が通じるなら、お前はそもそもここにいない。」


 そう来るか、ガルド。

 言い方は優しいが、内容は鋭い。


「王妃殿下は権限を奪われ、私は監視され、王命は偽造され、側近長は王宮の半分を掌握している。」


 隊長は肩をすくめる。


「“普通”が通じるなら、お前はもうここにいない。

 三食に昼寝?…冗談を言ってる場合か。」


 ガルドは笑う。しかし、その笑いは温かい。


「本当に肝が据わっているのか、それともただのんきなのか…判断に困るな。

 “動きたくない”のは分かる。だがな…お前がここにいる限り、殿下も俺も動けん。」


 隊長は真剣な目で続ける。


「お前が囚われのままでは、俺たちが動けば“お前を利用した反逆者”にされる。

 逆に、お前が“生きる意思”を示せば、俺たちは“お前を守るために動いた”と言える。」


 なるほど。

 俺が言えば、二人は動けるってわけか。


「お前に戦えとは言わん。脱獄しろとも言わん。ただ『生きたい』と言ってくれ。それだけで、俺と殿下は動ける。」


 ”生きたい”という言葉が度々出てくる。そして俺にその選択を強いているようだ。


 後戻りできなくなる”脱獄”という手段を取らなくて良いのであれば大丈夫だろう。


 これで登場人物の堂々巡りが終わるのであれば…言ってみる価値はある。


「生きたい!」


 その一言で、ガルドの目の色が変わった。


「そうか!その一言があれば十分だ。お前が“生きたい”と言った。

 それだけで、俺も王妃殿下も動ける。お前を守る理由が、正当化される。」


 その言葉には、率直な誠意があった。


「セブン。これより先は、お前が動く必要はない。俺と王妃殿下が動く。」


 これで重要人物が俺のために動いてくれることになった。一つ前進だ。

 そういえば…ライエルがもう勝手に動いてしまっているが…あいつ大丈夫か。


 ガルド隊長の目は戦場で何度も死線を越えてきた男の目だった。

 階段へ向かうその背中は、確かな力を帯びていた。


「ヴァルステイン卿の腐敗を暴き、王妃殿下の権限を取り戻し、お前の無実を証明する。

 必ず戻る。その時は…自由の空気を吸わせてやる。」


 俺は、誰にも見えないように小さくガッツポーズした。


 階段の上で、隊長の足音が止まる。

 そして、ひそひそと誰かと話す声が聞こえる。


 この声は…王妃殿下?。


 どうやら、すぐ近くの階段で俺の「生きたい」という言葉を隊長が伝えたらしい。


「え…王妃殿下まだそこにいたんですか!?」


 気まずい沈黙のあと、

 階段の影から、そろり…と顔だけ出す。


「…い、いたわよ。」


 声が小さい。王妃とは思えないほど小さい。

 ガルド隊長が横で頭を抱えている。


  王妃殿下、気まずさで視線が、完全に泳いでいる。


「だ、だって…が“生きたい”って言うかどうか…気になって…。

 その…私のせいで巻き込んでしまったから…最後まで聞く責任があると思って…。」


 ガルド隊長が小声で呟く。


「殿下…それは“聞き耳を立てていた”と言うのと同じです。」


 殿下は真っ赤になって反論する。


「ち、違うわ!これは…その…王妃としての監督責任よ!」


 完全に動揺している。


「…セブン。その…さっきの“生きたい”って言葉…聞こえてしまったのだけれど…。」


 殿下は胸に手を当て、ほんの少しだけ微笑む。


「…ありがとう。」


 その声は、王妃ではなく、

 ひとりの人間としての優しい響きだった。

 ガルドが続ける。


「殿下。せっかくなので、ここで話をまとめましょう。

 セブンが“生きたい”と言った。これで我々は動ける。まずは殿下の安全確保、次にヴァルステイン卿の証拠集めです。」


 …もういい。

 ここで一気に、話を片づけよう。


「ライエルもここにこっそり会いに来て協力するといってましたけど声掛けます?

 あとエリシアも同じく来てましたし。二人とも協力してくれると思いますよ。」


 まとめてしまえ。


「これで俺以外で動ける4人での協力体制ができましたね!

 影…と名乗る者も来ましたけど多分勢力が違うと思うので。正体もわからないですし。」


「…お前の牢、人気スポットか何かか?」


「ここに来るのは、私だけだと思っていたのに来てみたら結構な人数だったのよね。」


 ガルド隊長が状況を整理しようとする。


「…つまりだ。」


 王妃は真実を告げに来て、

 ガルド隊長は俺を守りに来て、

 ライエルとエリシアはこっそり協力を申し出て、

 正体不明の“影”まで接触してきた。


「…セブン。お前、牢にいるだけで“闇の中心”になってないか?」


あとがき

ガルド隊長は豪胆で何でも素直に信じるタイプです

何事も疑ってみるあなたのほうが長生きできますきっと!読んでくれて感謝です!

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