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モブ近衛兵の俺が冤罪で投獄されたが、王国の闇の中心に据えられている!?  作者: らいすクリーム
第一章【冤罪牢獄編】

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牢屋生活の始まりは突然訪れたが、俺は冤罪だ!

ここは王宮地下の拘束塔…王族に仕える者でさえ、二度と戻れぬと噂される場所。

鉄の扉の向こうで、衛兵たちの声が低く響く。


「……近衛兵セブン。王妃殿下への無礼行為、だってよ。」

「信じられん。あいつがそんな真似を?」


声には疑念と、どこか不自然な硬さが混じっていた。


俺は知っている。そんなことをした覚えはない。

だが、証拠は捏造され、証言はねじ曲げられ、王妃は沈黙したまま。


これは、誰かの意図だ。何らかの陰謀だ。

誤解が解けない気持ち悪さで気分が曇る。


月光が速い雲の流れで揺れた。階段を降りてくる足音がひとつ。

鉄扉の前で止まり、しばしの沈黙。やがて、低く落ち着いた声が囁く。


「…セブン。聞こえるか」


声の主は、同期であり、数少ない友、近衛兵ライエル だった。

彼は扉越しに、誰にも聞こえないほどの小声で続ける。


「お前を陥れた“影”の正体…少しだけ掴んだ。だが、ここでは話せない。」


鉄扉の向こうで、ギャリッ…と鍵がわずかに揺れる音がした。



俺は七海ななみ あゆむこの世界ではセブンと呼ばれている。

この世界に転生して10年…生きて、努力し、剣術を学び

死に物狂いで近衛兵という地位まで登ってきた。


この世界に愛され、都合のいい転生になる事を望んだが…現実は厳しかった。


ここまで…近衛兵という所まで来たのに。


王室の近衛兵として仕えているという誇り、安定した収入、信頼できる隊長と気の合う仲間たち…。

このままでは全てを奪われてしまう。だが全てを手放したくない。


「お前を陥れた“影”の正体…少しだけ掴んだ。だが、ここでは話せない。」


「話せない…誰が動いている?影とはなんだ…。」


ライエルがわずかに息を呑み、彼は一瞬だけ迷ったように沈黙する。

だがすぐに、低く押し殺した声が返ってきた。石牢の前、囁きが響く。


「セブン、お前を陥れた“それ”は一人じゃない。」


鉄扉に触れる金属音が、かすかに震えた。ライエルが周囲を見回し、警戒しているのだろう。

階段の上から、コツコツと遠くに衛兵の足音が響く。


「王妃殿下への無礼…あれは完全に仕組まれたものだ。証言した侍女は、

事件の翌日に“辞めさせられた”そして…王妃殿下は沈黙したままだ。」


彼の声は淡々としているが、焦りの色が滲む。


「お前を陥れた連中は、王宮の“中枢”にいる。俺が掴んだのは…ただ一つの名だけだ。」


ライエルが慎重になっているのを感じる。

普段陽気な彼らしくない。


「…これ以上は、ここじゃ話せない。選べ。このまま牢に残るか、俺と共に動くか。」


階段の上から、衛兵の足音が近づいてくる。

ライエルの声が、急かすように低く響く。

書かれた名前についてさらに情報を得ようとするとライエルの気配が一瞬だけ止まった。


「…その名について、これ以上深く聞くのは本当に危険だ。」


しかし覚悟を決めた者の声で続ける。


「だが…お前は知る権利がある。その名は“王妃派”でも“王党派”でもない。

もっと別の…“第三の勢力”に属している。」


階段の上から近づく衛兵の松明の光が揺れる。


「王妃殿下は、お前を庇おうとした。だが“その勢力”に口を封じられた。

殿下が沈黙しているのは、裏切りではない。殿下は…脅されている。」


その言葉は、石牢の冷気よりも重く沈んだ。


「王宮の“影”だ。そして…その影は、王国を内側から食い破ろうとしている。」


衛兵の足音が徐々に近くなる。

ライエルの声が、低くなる。


「時間がない、選べ。ここで動くか、耐えるか…

王妃殿下は、お前を庇おうとした。だが、その瞬間…“影”に気づかれた。」


ライエルの声は、どこか痛みを含んでいた。


「王妃殿下は今…“弱み”を握られている。それを盾にされ、口を閉ざすしかない。」


衛兵の足音が、もうすぐ扉の前に届く。

ライエルは続けるか迷ったように沈黙したが、

言葉を押し出した。


「王妃殿下は裏切っていない。ただ…守らなきゃならないものがある。

それは、お前じゃなくもっと…もっと大きなものだ。」


その言葉の意味を、ライエルは説明しない。

時間がないからなのか、言うべきではないと考えているのか。

階段のすぐ上、衛兵の松明が扉を照らす。

もう時間がない。

ライエルは短く告げる。


「どうする…選べ。」


俺は短く答える。


「残る。」


そう返答した瞬間、彼の気配がわずかに揺れる。

それは失望ではなく覚悟を共有した者の静かな反応だった。


「…分かった。代わりに、俺が動く。」


その声は、決意と焦りの狭間にあった。

彼は鍵に触れかけた手をそっと離し、足音を殺して階段の影へと退く。


「影の勢力は、王宮の奥深くに巣食っている。

お前が牢にいる間に俺がその根を探る。

何か掴んだら、必ず戻る。」


鉄扉の前に、衛兵の松明が差し込む。

ライエルはその光と入れ替わるかのように闇へと消えた。


「生きていろ、セブン。まだ終わっていない。」


セブンには届かない小さなその言葉だけが、

石牢に残された。


ライエル…回りくどい。

ある種のしつこささえ感じる。

わざわざここまできたなら普通に全部言えよ。

俺とお前の仲だろ…何カッコつけてるんだ。


新人です、2つ目の新作です


読んでいただき感謝です

毎日更新予定です

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