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地獄の始まり
工作員が月面コロニーの開港口へ降下していく。
セキュリティは機能していないようだ。
5名の内リーダー格の1人がハンドサインをすると、それぞれがバラバラにコロニー内へ侵入した
「迎えに行くから……シノノメ」
リーダー格がそう呟いた。ギュッとライフルを今一度手に馴染ませるように握り込む。
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私は地下鉄から地上に戻って目を疑った。
朝までは何も無かった。
それが、こんな。
怒号飛び交う戦場になっているなんて。
「何が起きてるの……」
私は当然ながら怖くなってその場に崩れ落ちた。
倒壊した建物。
そこらで上がる黒煙。
道路はひび割れ車はほとんどが炎上している。
無事な人は、人を押しのけてここから少しでも遠くに行こうとしている。そこに女子供は関係ない。