第三十六話「キラーの修行②」
キラーがハルカの弟子になってから数日が経った。
ハルカ「ふわぁーあ」
キラー「おはようございます」
ハルカ「何もこんなに早く起きなくてもいいのに」
キラー「早く強くなりたいんです」
ハルカは考えるような仕草をする。
ハルカ「じゃあ少し早いけどあそこにぶち込むか」
キラーは首を傾げる。
ハルカ「着いてこい」
キラー「はい、分かりました」
ハルカはキラーをある倉庫まで連れて来た。
キラー「随分とボロい倉庫ですね」
ハルカ「ボロくて悪かったな」
ハルカはキラーは薄目にして睨む。
ハルカ「とりあえずこの倉庫に入って一週間生きろ」
キラー「どう言う事ですか?」
ハルカはキラーを蹴って倉庫に入れて鍵を閉める。
キラー「イタタ」
急に倉庫内が明るくなる。
キラーはその明かりを遮るように手を顔の前に移動させる。
キラー「眩しっ!」
そこは草原だった。
左には森があり、右には川があり、前には砂漠があり、後ろには雪原が広がっていた。
キラー「ここは?」
ハルカ「おー!ちゃんと見えてるのか?」
キラー「師匠?!どこにいるんですか?!」
ハルカ「今俺はキラーの脳内に直接話しかけている」
キラーはさっさり分からないという顔をする。
ハルカ「単刀直入に聞こう」
ハルカは一拍おいて言う。
ハルカ「キラーは何人殺したことがある?」
キラーは目を見開き口を開く。
キラー「忘れましたよ、昔のことなんか」
ハルカ「そうか、安心した」
キラー「どういうことですか?」
ハルカ「今からキラーには過去と向き合ってもらう」
キラー「過去と?」
キラーは拳を握りしめる。
ハルカ「キラーにとって、苦になるかもしれない、だから...これだけは言っておく...絶対に諦めるな」
キラーは静かに頷く。
キラーは森のある方向へ歩く。
キラー「過去と向き合え...か...」
キラーは気にもたれながら言う。
キラー「嫌だなぁ」
そしてキラーの視界が暗転する。
キラー「ん?」
キラーが目を開けると目の前には父親と母親の姿があった。これはキラーでも知らない記憶だ、何故ならまだ産まれていない頃の記憶なのだから。
何故キラーが産まれてない頃の記憶が流れているのか分からなかった。
キラー「これは...何だ?誰の記憶だ?」
キラーは困惑する。ハルカから聞いていた話しと違うかったからだ。
キラーの父親の名はヘリウス、母親の名はアリスだ。
そして記憶の時間が経ちキラーが産まれた頃。
キラー赤ん坊の頃「オギャーオギャー」
ヘリウス「この子になんて名を付けようか、アリス」
アリス「かっこよくて強そうな名前にしたいな」
ヘリウス「じゃあ、キラーはどうだ?」
アリス「いいわね、それにしましょう」
そして月日が経ち、ユキナが産まれた頃。
もうキラーは立てるようになっていた。
キラーの成長速度が速いことにヘリウスとアリスは驚いていた。
キラーは自分に妹が出来たことが嬉しかった。
そして年月が経ち、小学生の頃。
キラー幼少期「ママ、公園に行ってくるね!」
キラーは元気そうに言う。
アリス「気をつけるのよ」
アリスはキラーを心配して見送る。
キラーは公園に着いた。
キラー幼少期「やっと着いた...ってあれは誰だろう?」
キラーは砂場で座って泣いている少年に声を掛ける。
キラー幼少期「大丈夫?君」
裕翔幼少期「君は誰?」
キラー幼少期「僕はキラー。君は?」
裕翔幼少期「裕翔」
裕翔は震える声で名前を言う。
キラーは泣いている裕翔に手を差し伸べる。
キラー幼少期「ほら、手掴んで」
裕翔はキラーの手を掴む。
キラー幼少期「これでもう友達だよ」
裕翔幼少期「友達?」
キラー幼少期「うん、じゃあ遊ぼ!」
裕翔は頷く。
そして今のキラーはキラー幼少期と裕翔幼少期が遊んでる姿をブランコに座りながら眺める。
キラー「昔に一度、裕翔に会ったことあったんだな」
キラーは微笑みながら立ち上がる。
そして年月は経ち、キラーが中学生の頃。
この時はキラーが能力を覚醒して殺し屋をしていた頃だ。
キラー青年期「次の依頼は...」
キラーは手配書を見る。
キラー青年期「母さんは何してるのだろう」
この頃のキラーの母親はキラーに秘密で異変解決屋で仕事をしていた頃だ。
キラー「異変解決屋は時代が変わっても受け継がれていたんだな」
キラーは必死に依頼をこなす母親を見る。
そして父親はというと...
ヘリウスはある組織で活動していた。
ヘリウスは黒い手袋に黒いスーツに身を包んでいた。
ヘリウス「おい、調整を頼む」
助手A「はい」
助手Aは段々と1から10までの数字を順番に押していく。
この頃のヘリウスは神獣について研究していた。
そしてユキナはキラーの帰りを待っていた。
ユキナ「お兄ちゃん、遅いよ」
キラー青年期「ただいま」
ユキナ「お兄ちゃん!遅いよぉ」
ユキナはキラーに抱きつく。
キラー青年期「ごめんごめん」
そして月日が経ち、キラーが覚醒する理由になった記憶に来た。
キラー「これは...」
キラーは拳を握りしめて目を瞑る。
キラー「でも、俺が見ないとダメなんだ!」
キラーはゆっくりと目を開く。
そしてここからはキラーにとって最悪の記憶しか流れない。
キラー(やっぱり...直視できるわけ)
キラーは俯く。
だがキラーはハルカの言うことを思いだした。
ハルカ「諦めるな」
キラー「俺は強くなるためにここにいるんだ、だから...俺はいくら最悪な過去だろうと、前を見る!」
そして一週間が経った。
第三十六話完




