表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/91

その61・花子さんがカウンセラー!?

私は今、女子生徒の相談を聞いている。


学校には様々な怪談がある。


その中で有名なのは「トイレの花子さん」。


夜中トイレに入り「花子さん、遊びましょう」と個室トイレに向けて言うと、花子さんが出てくるというものだ。


各県地域によって、どんな花子さんが出て来るかは違っているが、共通しているのは、どれも花子さんは幼い女の子というところだ。


とある小学校にて、トイレの花子さんをしている私は、毎日子供たちを驚かせる準備をしている。


どんな子が来るかは分からないが、私は来たと分かったら必要以上に驚かせてしまう。


私の仕事はただ驚かせるだけだ。


それ以外の仕事は基本しない。


以前では、女の子が入ってきた際、上から脅かしてしまい、気絶させてしまうことがあった。


あれは私の中でも意外なことであり、後に反省をした。


ただ、一つのルールがあり、決してあの世に連れていってはいけないというところだ。


これは先輩花子さんから教わったことであり、必要のない人間をあの世に送ることによって、私たちはエンマ大王から怒られるという羽目になってしまい、とても面倒であるからだ。


私はその教えをきちんと守っている。


そんなある日のことだった。


私はいつも通り、昼頃。


静かなトイレに潜んでいると、誰かが入ってきた。


これは良い獲物だと思い、ドアをゆっくりと開けると、そこには涙を流しながらも、鏡を見ている一人の生徒がいた。


私は意外な状況に、戸惑いながらも


「うらめしや~」


そう言うと、女子生徒は何も驚かずに


「ねぇ、花子さん。相談聞いて」


「え?」


何故驚かないのか。


むしろ「相談を聞いてほしい」?


誰に頼んでいるのか訳が分からずに


「え?待って、どういうことなの?」


「だから、相談を聞いて」


何故か食い気味に私の傍に寄ってきた。


これは一体どういう状況なのだろうか。


私は学校で有名な花子さんだ。


しかし、女子生徒は涙を流している。


これは相談を聞かずにはいられないと思い、そのまま話を聞くことにした。


「もう、なんだか生きてる心地がしなくて」


「そんな大変なことがあったんだね」


この女子生徒は、他の生徒からいじめを受けていた。


それも私が言うのもあれなのだが、かなり酷いやり方をしている。


「私、もうダメかも・・・」


なんだか生徒が可哀想に見えて来た。


私は幽霊であり、カウンセラーではないが、それでも一人の元人間としてアドバイス出来ないことはないかと、頭の中で探った。


すると、私は


「その女子生徒今度連れてきな」


「え?」


「驚かせるから」


「あの世に連れて行かないでよ」


「そんなことしないさ。私は驚かせるだけが専門なの」


「でも・・・」


「いい?私が絶対に言いたいのは。あなたがダメだと思う必要はないの。人生にダメという言葉はない。人間誰だってきついことはあるかもしれないけど、それでもダメという言葉で片付けることに、私は違和感があるの。みんな必死に生きて、必死に泣いて、必死に笑う同志なんだから。それが分からない限りは、まだまだ半人前ね」


女子生徒は微笑みながらも


「ありがとう。話を聞いてくれて」


「いえいえ、何でも聞くから、またおいで」


「分かった」


そのまま、女子生徒はその場を離れていった。


なんだか私もトイレの花子さん人生の中で、唯一人の役に立ったなと思い、嬉しく思い始めていた。


~終~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ