第26話 ラウラ・レインの独白
投稿おくれてすいません!例の如くサボってました!加えて、今回まったくストーリー進んでないって言うね。
これも、なかなか思いつかない決闘の内容が悪いんだい!……はい、言い訳ですね。プロット無いとこれだから困る。
最初にこの世界に転生したのはいつだっただろうか。もう、随分と昔の様に思えるし、そうでない様にも思う。
なにはともあれ、私、雛月美穂は自分が育て上げたゲームのアバター『ラウラ・レイン』となって転生した。
最初はパニックになったものだ。あの状況に適応できる人の気が知れない。実際、私がテイマーとして大切に育て上げたニコルがいなければ発狂してたかも知れない。
だが、なんだかんだ言っても期待してはいたのだろう。それもそうだ、ゲームのキャラになって無双!チートして俺ツエー!とか、昨今の流行りだろう。
私も、多分そんなことを期待していた。
ーーその事実を知るまでは。
端的に言おう。
ーーこの世界における『プレイヤー』の役割とは勇者の贄である。
これは、数年に及ぶプレイヤー同士の交流と考察、散っていった数多の先輩達の経験談、そして、転生する際に盤上の神の代行を名乗る存在に言われたーー
『おめでとう!君は選ばれた。数多の戦い渦巻く戦乱の世界で、その絶対の力を振るいたまえ。
願わくば、やがて君が勇者の糧とならん事を』
ーーというセリフを加味した上で考察した推測である。
おそらく、この『唯一神の遊戯の盤上』の世界であるこの世界には『勇者』と『魔王』に相当する存在がいる。世界観がRPG風である事から、遊戯としてなら、ほぼ確実にこの二つの存在は現れる。
多分だが、この『魔王』ーーーいや、言葉を変えよう。これだと他の魔王と違いがわからない。強いて言うなら『ラスボス』、これが妥当だろう。
脱線したな。
おそらくこの『ラスボス』は『主人公』に相当する『勇者』しか倒せないようになっている。ここまで、テンプレな異世界を創造する神だ。
『魔王は勇者しか倒せない』なんて、テンプレを用意しててもおかしくない。
ーーでは、『ラスボス』を倒せないなら、『プレイヤー』とは何の意味があるのか。
それは、転生の際に聞いたセリフの通り、『勇者の糧』なのだろう。
要は、プレイヤーが溜め込んだ莫大な量の経験値を勇者に献上しろ、という訳だ。
当然、経験値を献上する方法なんて勇者に殺されるしかない。しかし、殺されるとなると、必ず『プレイヤー』は抵抗するだろう。加えて、相手が未熟な雛鳥なら尚更の事。
当然、普通に戦わせた所で、未熟な勇者が絶対的な力を持つプレイヤーに勝てるわけがない。
だからこそ、プレイヤーには必ず転生する時に何かしらの『制限』が掛けられる。
それは、ステータスやレベルの低下だったり、単純に技術の封印だったりする。
しかし、ここまで一方的な『勇者』一強世界を作る為のシステム。対抗する『ラスボス』は相当な力を持っているか、もしくは勇者に対抗できるだけの成長性を持っていると見ていいだろう。
100とも1000ともいる莫大な経験値を持つ『プレイヤー』を打ち破り、その力を取り込んだ『勇者』に対抗できる『魔王』ーーーそんな規格外な化け物がいるのなら、ただの1プレイヤーでしかない私にどれほどの可能性があろうか。
ーーおそらく、素直に勇者の贄になった方が幸せな筈だ。
中には前の世界で死んだからこそ『プレイヤー』となった人もいる。そういう人は生きていく事に無気力な人が多い。実際、素直に贄となるプレイヤーも多いだろう。
だが、私は諦めたくない。
なんとしてでも、『ラストバトル』の先の『未来』が見たい。だって、私の隣には、ニコルだっているのだから。
だからこそ、私は勇者がアイリーン英雄学園に入ったと聞いて直ぐに自分も学園に入学した。未来の為の抵抗をするにしろ、勇者を見極めておきたいのもあったが、ラスボスを倒す為の勇者が居なくなったらそれこそゲームオーバーだ。プレイヤーだけでラスボスは倒せない。
だから、勇者を守る意味もあった。あわよくば、私に掛けられた『制限』を解除できないか、と思ったのもあるが。
そこで見た勇者の実力は、制限を課せられたプレイヤーにすら勝てない程脆弱なもので、正直驚いた。
ーーーでもまぁ、最近で一番驚いたのは、あの『魔神ちゃん』が入学して来た事なんだけど。