第21話 私が悩む理由
エタったかと思った?残念、まだ続くんじゃよ。
夢を見た。
『永遠』という〝結末〟を刻んだヒトのただ一人の騎士の物語。
それはーーありえたかもしれない一つの〝結末〟だ。
◆◇◆◇
最近、寝不足だ。
なんだか、よくわからない夢を見るのだ。夢の内容はいつも起きた時には忘れているのだが、夢の登場人物は覚えている。
俺と、ヒムちゃんだ。……あと、もう一人知らない人がいる。黒髪赤目の女の子なんだが……口調からしてあの女の子はゲンキちゃんかな?
はい。というわけで皆さん、リュミエルです。
学校に入学し、アリスと名乗る謎多き美女に出会ったあの日から既に二週間が過ぎてます。
アリスさんも、あの後俺たちの帰り道についていった後は音沙汰無し。連絡先交換した訳でもないから、本気でアリスさんがあの時俺に接触して来た理由がわからない。
まぁ、そこらへんは今気にしなくていい。今気にしないといけないのは別にある。
「というわけでリンディ先生!忌憚の無い意見を希望しまふ……!」
「(噛んだ……)と、言われても、言いにくいが君の感じてる通りだとしか言えないな……」
「やっぱりそうですか……」
いや、わかってた。
筆記は大丈夫なのだ。俺ーーあぁ、心の中だけだとしても、これ以降は全部『私』に統一させて貰うがーーにはGoo○le先生もビックリな検索機ゲンキちゃんがいるからな。
問題は実技だ。私のSクラス入りは『即死の魔眼』と『勇者の聖剣しか効かない耐久性』が理由の多くを占めている。
他の能力が低い訳ではないのだが、この二つ失くしてSクラス入りできるか、といえば確実に無理だろう。最近それがわかって来た。魔王でラスボスとはいえ、まだレベル一桁の雑魚。ゲンキちゃんからは総合能力だけなら三十レベルいけると言われているが、その総合がネックなのだ。なにせ、突出した『魔眼』と『耐久』があるだけで、他はレベル相応なのだから。
本来なら突出している能力を活かして戦うのが正しいのだろうが、私の能力はどうも自分から行動する分には実感しにくいモノだ。
高い耐久性を持っていても、運動能力がなければそれはサンドバッグと変わらない。
『即死の魔眼』に関しては論外だ。仮にも教育機関で人死にを出すのはNGである。既に学校側からも使用禁止令が出ている。
早急に戦闘方法の確立が望まれる。
私の高い耐久能力を活かして、攻勢に出る方法………となると、やっぱりアレしか思いつかないんだよなぁ……。
「とりあえず、目標は決まりました。リンディ先生、ありがとうございます」
「あ、うん。あんまり悩まないでね?授業についてけなくても誰も責めないから」
「はい。でも、ウチにはカッコいいところ見せなきゃならない相棒がいるんで!」
「そっか。頑張ってね?」
「はい!」
リンディ先生はあまり相談の役に立った気がしないらしく、こちらを慰める方向にシフトしていたが、こちらが立ち直ると、やや困惑しながらも激励してくれた。
………さて、対処療法に過ぎないけど、私がSクラスについて行く方法は一つだけある。
その名もーーー《暗黒剣》だ。
改めて読み返して思うけど、この小説キャラの口調がブレすぎな。