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魔王になっても  作者: 暴虐の納豆菌
第1部序章 入学まで
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第19話 謎の美女アリス



一日の学業が終わり、帰りの時間。俺たちはヒムちゃんと一緒に下校していた。



「しかし、授業ぜんっぜんわからなかったなー!」


「え!?……え、ええっと…?」


『コラ!いきなり反応に困る発言してるんじゃありません!!頑張って授業を理解しちゃったヒムちゃんが理解できなかった貴女に遠慮して混乱してるでしょう!?』


「俺の一言に一体どれだけ葛藤してるんだ…?」



そんな雑談を交わしていると、いつの間にか目の前に立っている人が居ることに気がついた。

ここは、校門だから、だれか待っているんだろう。その校門に立っている人を避けて歩こうとして、話しながらヒムちゃんの手を引っ張る。



「あっ、すみません。今退きまーー」


「あら、貴女が3人目の『厳重監視対象』?」


「ん?あなたは……」



しかし、配慮して避けたのに、その人はいつのまにか目の前に立っていた。この私が見えないとは………こいつ、できる!!………真面目な話、何者なんですかねぇ?


見た感じは女の人だ。改造した軍服に身を包んだ綺麗な女性。

服装が特徴的な人で、様式的には海軍辺りの軍服を改造したのだろう、海軍帽を頭にかぶっていた。特に目立つのは上着を肩に掛けているだけで袖に腕を通してない所だろう。前を全開にして風に靡く上着の下にはノースリーブのシャツが見えることから、軍服の下はそこまで凝ってないと思う。


何より、そんな特徴的な衣服に身を包んでいながら掻き消される事のない『存在感』がその人にはあった。

色素の抜けた白髪は、沈み始めた太陽の光を反射して輝き、宝石の様な金色の瞳はまるで吸い込まれそうなほどの魅力を持っている。

それらを纏め、印象を決定づける顔のパーツや身体のラインも抜群で、あまり気にしてなかった〝女として〟の自分と比較して勝手に負けたなどと考えてしまった。



「失礼。私はーーーそうね。アリスでいいわ。アリスと呼びなさい」


「ええっと、はぁ…。それで、そのアリスさんは俺たちに何の用で?」


「簡単よ。学園でも珍しい『厳重監視対象』を見に来たの。………思ったよりも理性的なのね。即死の魔眼というイレギュラーと要塞の様な耐久力が危険視されて『厳重監視対象』になったというのは嘘じゃなさそう」


「…………(ふるふるふる」


「怖いもの見たさ的なアレですかね…?そんなに見たいなら後にしてくれません?今帰ってる途中なんで。学校でならいつでも見ていいですから」



テキトーな事を抜かす目の前の女性(アリス)を取り敢えずヒムちゃんが俺の影に隠れて怖がってるから帰す事にして学校でなら良いからと、多少妥協案をつけて要約すると「帰れ」と言う。

妥協案をつけたのは、多少は旨味が無いと人間は受け入れられないからだ。それだけ。


もう一度言う。要約すると「帰れ」と言った。なのにーーー



「あら、今帰る所だったの?ならついて行っても良いかしら?」


「はぁ?」



なのに、アリスさんはその要約に気づかなかったのか、それともわざと気づかないフリをしたのかーーー兎に角いきなり帰路についてくるという。


その声を聞いたヒムちゃんが何に怖がっているのかはわからないが、神速で首を振っていたので帰そうとするも、退かないアリスさん。



結局1時間以上ねばってアリスさんは俺たちについて来た。

どうでもいい事ですが、主人公の美人度は『この世のものの中で最高』程で、アリスの美人度は『この世のものとは思えない』レベルです。

言うまでもなくアリスさんの方が美人ですね。

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