大罪名「暴食」
神崎翔太
選ばれた人間がこの世界に召喚されて5年が経とうとしていた。私こと神崎翔太は、いきなりな話ではあるが5年のうち、2ヶ月は戦争、約5年間ただ学校と自宅で時間を浪費していた。5年と言ったが、その期間はこの世界に召喚されて、全員に魔術や異能力が発動して二週間後である。召喚先は王国の端、なにもないただの草原であった。しかし、結界が張られていて王国の住民が住んでいる区域には出られない。召喚者達の中に科学者がいたのと、そこには資源がたくさんあっのが幸いで、わずか二週間で結界内を発展させた。勿論、元学生のための教育の場もあり、授業科目には「魔術」も追加された。しかし、召喚されて二週間後、結界内に「MISSION」とその内容が映し出された。内容は「24時間後に天使が地球人を滅ぼしに向かう。1ヶ月以内にせん滅し、勝利したら生き延びさせてやる。そして、結界を解放することを約束しよう。死んだらそこで、命は尽きる。」である。
学校の魔術の授業が強かった俺は、ミッション、いや、戦争に参加した。その時、魔術の授業はチームを組んで実技していた。そのため、チームで参加することになった。しかし、ミッションに参加したのはわずか5チームで、天使10万に対して、60人未満であった。そして私は戦闘中、能力で自らが飲まれてしまい、罪を背負うのである。
ーーーーー結界と天使、召喚者の三分の二を魔術で、一瞬で闇の空間に飲み込んだらしい。
ミッションは勿論クリアである。だが、 自分の暴走のせいで、多数の死者を出したこと。そして、ゼウスから七つの大罪「暴食」の名を渡されたことはとってもとれない「罪」である。チームメンバーの仲間ともまだ会えていない。探していない。きっと飲んでしまった。
私は、本当の犯罪者でもないし、逮捕もされてなければ、無意識のうちではあるものの、人を飲み込んで殺した大罪者ではあるのだ。また、日本の科学者が作った街、「NIHON」から出ることも、私が私を許さない。私が外の世界について知っていることは、中世らしかった街並みは近代の建物と昔からの建物でかなりカオスな状態であることと、日本を含めて、残っている国が「6つ」であることだ。また、6つの地球の国で6人、この王国で1人を、ゼウスが選んだ「大罪者」がいる。すなわち、「七人の大罪者」。七つの大罪の名がついている者が私の他にあと6人いることである。それ以外は分からないし、知る必要もない。
そして、神崎翔太の運命が変わる出会いが起こるのである。