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お姫様に勝利しました!

 胸の中に顔をうずめながら俺は、幸せな気持ちを堪能していた。

 美少女の異性にこのような事ってあるのかな? と俺は夢見心地ながら思った。

 柔らかい。


 頭の中がとろんと溶けていくような至福の時を感じながら、そういえば何か重要なことがあったような、何だっけ……まあいいや、今はこの幸福感に浸ろうと俺は全ての思考を放棄した。

 それだけ俺は過酷な現実につかれていたのだ。と、そこで、


「くくく、今度のご主人様はちょろそうですね。今までのご主人様は“恋人”になって頂けませんでしたが今度は手に入れられるでしょうか」


 何やら黒い言葉が聞こえたが、ぷにょっとした柔らかくて大きな胸に埋もれていると全てがどうでもよくなる。

 幸せだ。

 とても幸せだ……そう俺がぼんやりと思っているとそこで、


「この状況で、よくそんなに気の抜けた顔が出来るわね」

「ふごっ?」


 そこで何者かが俺にそう、怒ったように告げてくる。

 だが俺としては、この至福の時間をもう少し感じていたい、心行くままに……と思っているとそこで、


「いいわ、だったら戦う気にさせてやる。そもそも私の裸を見て、ただで済むと思うのが間違いなのよ!」


 といった声が聞こえて、何かの風を切る音が聞こえて……俺はとっさにこの剣で防御する。


「! 私の剣戟を見切った?」

「いや、音が聞こえたらよけたり防御するだろう」

「……やはり一般人のふりをした、手練れであったようね」


 そう言われてしまうが俺はただ単に、昔ドッジボールで受け止められそうな玉などを見極める感性を少し鍛えただけなのだ。

 それをこの刃物の戦いに応用してみただけなのだが……手練れと判断されてしまった。

 つまりこれから俺は彼女に本気を出されてしまうかもしれないのだが、そこで、


「ささ、ご主人様、私の剣を使ってくださいませ」

「え、はい。でもこんなに軽くて大丈夫なのか?」

「実はこれ、凄く重いのですよ。ですがご主人様の魔力が触れた瞬間に流れ込んできているので、“軽く”なっているだけです」

「そうだったのか」

「はい! ご主人様の巨大な魔力が私に注がれて、私が目覚めたので間違いありません」


 そう、この剣の精霊らしきものに言われて俺は、魔力というものが俺にあって、そして強い力を持っているらしいと気付いた。

 だが今は目の前の危機をどうにかするのが大切だ。

 つまりお姫様のこの剣をどうにかする!


「お姫様の剣を、真っ二つにしたりできないか?」

「あの程度の魔剣なら余裕ですよ、ワンパンレベルです!」


 その表現はどうかと思ったがとりあえずは、このもっている剣で受け止めるのではなく、“切り裂く”と俺は念じる。

 すると、かきんっとこ気味の良い音がして、姫の持っている剣が真っ二つになった。


「わ、私の剣が! アルクメーネ! ……ごっ」


 愛剣に名前を付けていたらしいお姫様だが、その油断をついて俺は授業で習った柔道の関係で首に手刀を入れる。

 異世界人にどの程度効果があるか分からなかったが、お姫様はふらりと倒れた。

 そこでその様子を見ていた騎士? らしい人が、


「勝者、“侵入者”!」


 そう叫ぶと同時に、俺の後ろの方から声がした。


「これは……一体何事だ?」


 その声に俺が振り向くとそこには、お姫様に似た少女などの集団がいたのだった。


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