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周りに人がいなくなるのを待つ

 落ちても大丈夫な魔道具。

 そんなものがあるなら非常にありがたい。

 なにせあの“魔族”の攻撃は強力だ。


 この結界の一部が強固だといっても破壊される可能性が高い。

 そしてこの世界には一応重力もあるようなので、穴から落ちると……想像したくないのでそれ以上は考えないことに。

 また、ユキナにその落ちても大丈夫な道具を借りる。


 それは靴に付加された魔法のようなもので、何でも以前の冒険で使用したらしい。

 一緒に居た人物たちに渡したもので後に返してもらったそうだ。


「大きさもね、はいた人に合うサイズになるしななんだ。偶然だけれど作っておいてよかったよ」

「助かった。これで戦いに専念できるな。……ユキナはどうする? 攻撃系の魔道具作るには時間がかかりそうか?」

「……市販品でも、離れた場所から打ち込める道具もあるから、それだけミチルに量産してもらう」


 そう言ってユキナは何かを取り出した。

 筒状の銃のような物体だ。

 実際には少し太めの銃のようで、弾も大きい。


 それからユキナはミチルに弾を渡して、


「これのを量産してほしいです」

「……分かった。シンイチロー、俺達の所とユキナの傍に接続してくれ」


 それに頷く。

 後は、シャロに俺は、


「シャロには魔法攻撃で援護してくれ。俺は多分、周りに気を配る余裕がない」

「分かったわ」

「以上だ。イクス、剣に戻ってくれ。そして、ミチルとサヨ、ミナ達はとりあえず……この前戦闘した場所が人気も魔族の気配もなくて良さそうだからそちらに転送だ。ミナ、この結界はミナがここに居なくても維持されるか? それに非難する人は結界から外に出られるのか?」

「うん、私がいなくても大丈夫。あとこの結界は下の方は一部人がくぐれるくらいに空いているから、そこから逃げられるよ」

「そうなのか、よし、ミチル、ここの従業員たち全員も含めてとりあえずは安全な場所に送ってから俺達も移動する」


 そう俺は告げたのだった。









 とりあえずミチル達とここの従業員も含めて全員転送した俺は、敵を倒すのに向かう。

 避難誘導は始まっているらしく、大勢の人が逃げていくのが見える。

 で切れば全員避難してから戦いたかったが、この俺の能力で作った箱がどの程度持つかが分からない。


 ここに転送して俺のすぐ後ろにシャロとユキナ、という配置にする。

 接近戦をする関係上俺が一番前の方が動きやすい。

 そして後ろから援護をしてもらうことになっている。 


 後はミチル達との場所と一部繋げて弾の補充。

 そう考えながら俺は説明していく。


「ここで一応準備をしていく。これから一体ずつ開放していくが、ここの下の人達がある程度避難してからの方がいいか、それとも時間が経過する前に倒した方がいいからもう始めた方がいいか?」

「そうね、時間が経過するごとに“魔族”は強くなるけれど、人の避難が先かな。少なくともここ周辺に人がいなくなればいいから……それほど時間はかからないと思う」


 シャロの言葉を聞きながら確かに集団でひとは移動しているがその数もだんだん少なくなっている。

 ここの周辺から人がいなくなるのも数分で済みそうだ。

 それを眺めながら俺は、


「他に何かあるか?」

「私の方はないわ」

「私も」


 そう答えるのを聞きながらふと気になったことをシャロに聞く。


「ここの城の兵の人達は手伝いに来るのか?」

「シンイチローが強すぎるから邪魔になるだけだと思うから、来ないように言っておいた方がいいかも。それに今は市民の避難を最優先にしていると思うわ」

「……確かに言い方が悪いが邪魔だな。守り切れない。……周辺に人がいなくなったら援護が来る前にかたずけた方がいいか」


 俺はそうして、周りに人がいなくなるのを待ち、一つ、“魔族”を捕らえた檻を開けたのだった。


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