メートル表示で
シャロが提案して出してきたのは、魔族を倒した時に手に入る結晶だった。
その結晶を見てユキナが、
「実物があるんだ。これが“魔族”?」
「“魔族”が落としたものだ。ただ、この結晶を使って作られた特殊な武器もあるからその場合も反応はしてしまうかも。けれど珍しいものだから、そう多くないから魔族を探すのには役に立つ……と思う」
シャロがそう呟くのを聞きながら俺は、確かこの勇者の剣も関係していたよなと思う。
でも女神様が作ったとも聞いていたような気が。
「イクス、女神様にもらったのに、“魔族”のその結晶も使っているのか?」
「はい、強化の関係で。だから初期よりも強くなっているんですよ、人間の英知って素晴らしいですね」
と返してくるイクス。
どうやらそういう物であるらしい。
そう俺が思っているとそこでユキナが、
「武器なんかに使われている場合が多いのかな? その“魔族”の結晶は」
「そうですね、武器に使われていることが多いかな。防御系の魔道具は、相性が悪かったはず」
「だったらその条件も設定できるね。武器に使われているこの“魔族”の結晶は除くって」
どうやらそういった設定を組み込むことが可能なようだ。
本当に特殊能力だなと俺が思っていると、そこでシャロから“魔族”の結晶を受け取ったユキナが、
「早速作ってみるね。探知レーダーの大きさはどれくらいにする? 0.35メートル×0.5メートルくらいにする? 少し大きいけれど」
「そうだな……拡大なんかは出来るのかな?」
「そうだね、地図を基にするから……それも設定に入れておくね。仕上がりは、タブレットみたいなもの、といった形でいいかな? タブレットで拡大できるのと同じように、地図が拡大できる仕様」
「そうだな、その方がいいかもしれない」
身近なものなので使いやすいだろう。
そう思いながら光の文字盤を呼び出し設定をしていくユキナを見て俺は、
「でも、メートル表示なんだな」
「そうみたい。なんでもSI単位で統一されているらしいよ」
「……異世界なのに?」
「私達の能力だから、私達の世界の“概念”が影響しているらしいって女神様が言っていたから、そういう事じゃないのかな?」
その辺の説明も全部はしょられた俺はなんだかなと思ったが、単純な能力だから特には問題はなかったなと思う。
そしてそれから3分後……では出来なかったので、10分後。
「できたー!」
「……本当にタブレットみたいだな」
「操作方法も同じだよ」
との事でボタンを押して起動させるとこの世界の地図が現れる。
その所々に黒い波紋が広がっていて確率の%が映し出されている。
高い所も低い所も、波紋が大きい所も小さい所もある。
その中でひときわ大きいものがある場所もある。
奇妙な表示のそれを見ながら俺は、
「“魔族”と呼ばれるものは、ひょっとして自然発生的なものなのか? そしてこ出現確率を示している、とか?」
「魔族がただの災厄だと言っているように聞こえる」
シャロがそう呟くけれど俺はあの生物という感じのしない無機的な存在を思い出しながら、その予感が正しいのではと思いつつ、
「それでこの町はどのあたりになるんだ? シャロ」
そう場所を聞いて拡大表示をしたのだった。




