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数を打てば当たる戦法

 ある可能性。

 特殊能力チートを持ったクラスメイトがこの世界で、無双しているかもしれない件。

 よくよく考えたらフードファイターなんて、どうしてやっているんだ?

 

 そもそも、そんな行動的な人間は俺達のクラスにいたか?

 何で悪の美食会だかと戦っているんだ?

 延々と謎だけが増えていくが、


「“魔族”と人知れず戦って勝利している、か。確かに俺やミチル達の能力を見ているとありそうな気もする。そして世界各地に散らばると、その場所その場所で“魔族”が現れた場合、対処がしやすい。……まさかそれを狙っての集団転移?」


 だとしたらここの女神様はなかなか考えているとは思う。

 けれど先ほどのシャロの話では、


「シャロ、昔はこういった事態に対する勇者の扱いはどうなっているんだ?」

「大抵、強い人間が呼ばれたり、この世界のツワモノが戦っていたはず。規格外な人間も結構いるし。でもそう考えると今回は人数が多いから……やり方を変えたのかもね」

「どうしていまさら変えたんだろうな」

「……もしかしたなら、前回の魔王を倒す戦いでは勇者召喚が遅かったがために大量の使者及び、世界の五分の四が消失、という結末を迎えたからじゃないかしら」

「……五分の四」

「浮遊大陸の方もダメージを受けているからね。結局一番安全なのは海中都市じゃないかって話もあるのよね……。海は広いからかもしれないけれど、“魔族”の目撃例はあまりないのよね」


 どうやら海の中に町があったり空に浮く大陸もあるらしい。

 ファンタジーだなと俺はそのうち行ってみたい気持ちにさせられる。

 けれどそこまで危機的状況に陥ったので今回は、転移者を増やしたのだろうか?


「数を打てば当たる戦法かと思っていたが、そっちだったのか? いや、初めは数打てば、戦法だけれど実際にはその場その場で対処しているとか? 特に女神様からその辺の説明がなかったんだよな? ミチルとサヨは」


 そこで二人に話を振るとそうだと言われる。

 そこそこ説明を聞いていたはずの二人でこれだから、予定とは違うのだろう。


「もし世界中に散らばるのが意図的だったら、移動がその範囲からできないだろうしな。ユキナはこの都市まで移動できたわけだし。となると偶然の産物か」


 ただそういった危険すぎる状況に俺が放り込まれなくてよかったとは思った。

 特殊能力チートといったものがあるだけで全然違う。

 俺はそこであることに気付いた。


「ユキナ、特殊能力チート持ちだけを判別するレーダーは作れないか?」

「それはやってみたけれど、特殊能力チートだと、普通に才能がある人が引っかかって、それも個人の気づいていない才能も表示されるらしくて無理なの。だから概念よりは、制限をかけて固定するか、もしくは……こういったものを探したい、といった形の方がレーダーは表示がしやすいみたい」


 実物がある方が探し易いらしい。

 そこでシャロが、


「実物があればいいの?」

「うん」

「……“魔族”に関してなのだけれど、この、倒した時の結晶でその探す、レーダーとやらは作れないかな?」


 そう提案してきたのだった。



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