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俺の能力は地味だなと

 特別な存在。

 確かに物語だとそうではあるが、


「そんな衝撃的事実というよりは、普通に、親と逸れた子じゃないのか?」

「……だろうね。冗談言っちゃってごめん。それでサヨ、この町の警備の人達に聞いてみた?」


 俺の答えにユキナは肩をすくめてからサヨに聞くと、サヨは首を振り、


「全然、毎日通ってはいるけれどそんな届け出は出されていないって」

「そうなんだ……早く親と会えるといいね」


 そういうとこの幼女は食べるのを止めて、にこりとユキナに微笑んだ。

 その可愛さにユキナが悶絶している。

 子供の笑顔の破壊力は凄い。


 そんなことを俺が思っているとそこでサヨがユキナに、


「そういえばユキナの特殊能力チートってどんなものなの?」

「“魔道具生成(テクノ・アイ)”といって、魔道具が作れる能力かな。こんなものが作りたい、でもいいし、元からこの世界にある魔道具の改良もできてしまう物かな。難点は量産に向かないことくらい。一本一個づつ作らないといけないから」

「ミチルの能力に似ているね。でもそっちは職人技みたい」

「そうだね。でもこれのおかげで、敵を倒すための火炎放射器のような物や、箱状の物から敵を自動攻撃する機械触手のようなものが出る……私が腰につけているものや、魔物を捕らえる檻を作る棒とか……途中から空飛ぶ乗り物を作ったりしたかな」


 ユキナは大量に魔道具を作り一人で切り抜けてきたらしい。

 美人で大人しめだったのだけれど、意外に行動的なようだった。

 やはり異世界という環境が、俺達のクラスメイトに何か別の行動をとらせるのだろうか?


 それとも、自分から行動しないと生き残れないと気付いてしまったからなのか?

 もしくは、俺達の世界が、思いのほか制約条件や見えない非合理的なルールが沢山あるから、諦めているのだろうか?

 それは、俺にも言える事なのか?


 かといって、そのルールの中でも重要な部分は俺は破る気もないが。

 ふとわいて出た疑問に思いをはせていても仕方がないかと俺が考えて、そこで俺はシャロが涙目になっているのに気づく。


「どうしたんだシャロ」

「だ、だって空飛ぶ乗り物って、私の国でようやく実現した最新鋭の……」

「そ、そうなのか。でもこう、空飛ぶ乗り物のイメージさえあれば、ユキナの能力で作れるんじゃないのか?」

「……私の国の最新鋭の乗り物が特殊能力チートで簡単に……」


 よほど衝撃的だったのか凍り付いているシャロ。

 それだけ自慢だったのかもしれない。

 やはりこの特殊能力チートは凄まじいと改めて感じさせられる。


 その割には俺の能力は地味だなと思ったが。

 そこでそんなシャロにユキナが、


「でも私の場合はこうした言って概念で作っているから、中身の構造自体が理解できているわけじゃなくて、“使える”だけだから。そこまで落ち込むことはないんじゃないかな」

「……そうかな」

「うん、既存物を調べて改良したもの、も作れるけれど、どんな風に作られているのかがよく分からないから、気づかない問題点は沢山あると思う」

「……そっか」


 それを聞いてシャロは少し安堵したようだった。

 落ち着いたようなシャロを見て、俺はそこでユキナに別の疑問を投げかける。


「でも一人で魔物なんかも倒してきたのか。あ、自動で倒すその装置があるから、安心して旅ができたのか? 突然襲われるかもと思ったら一人旅は特に大変そうだ」

「うん、それもあるけれど、地図を改造して、周囲1キロメートル四方を網目状にした範囲で魔物がいる場所を反映させる“魔物探知レーダー”を作って見ながら移動していたからそこまでは怖くなかったかな」

「“魔物探知レーダー”、か」

「そうそう、どうしたの?」


 そこで不思議そうに聞いてきたユキナに俺は、


「その“魔物探知レーダー”、“魔族”も探知できないか?」


 俺は、ユキナにそう、聞いてみたのだった。

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