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クラスメイトまた一人合流

 ユキナをミチル達の所に連れて行こうとしたのだが。


「……あの人だかりは何だ?」


 俺はそう呟いた。

 何しろ、ミチル達が店をやっているあたりに人だかりができている。

 女の人ばかりのようだ。


 もしや店を間違たのかと思ったが、浴衣を売っているので間違いない。

 そう思って更に近づくと、先に気付いたのはサヨのようだった。

 俺に気付くと手を振り、


「シンイチロー、凄く人気が出て……というかユキナ! 無事だったんだ!」

「うん、サヨも元気そうだけれど、この現状を見る限り手伝った方が良さそうだったよね」

「そうしてくれると助かるわ! 商品も補充しないといけないし……あ、三人手伝ってくれるならミチルが商品を補充に行く?」


 それにミチルがそうしたいと言っていた。

 だがミチルの姿は人だかりで見えない。

 それだけ大賑わいという事だが、


「さて、シャロは出来るか? 接客」

「面白そうだからやってみる」


 好奇心旺盛なお姫様であるらしいシャロも、こうして手伝ってもらえることになったのだった。









 浴衣やそのほか関連商品は珍しいのと、俺達が歩いていたのが目立ち人気に火が付いたらしい。

 きれいな変わったデザインの服という事ではやったそうだ。

 一応はクラスメイトを見つける、という目的で出した店だったのだが、結局売れる時に売る、という事で途中からせっせと浴衣販売にいそしんでいた俺達。


 結局見つけられたクラスメイトはユキナだけで、その後、人が来る人数が減ったので再び宣伝と称して交代で市を見て回ったが、変わった調味料や雑貨が売っているだけで、クラスメイトはおろか手掛かりになりそうなものはなかった。

 明日も市をやるので、俺達も再び見に行くことになった。


 それからミチルの宿に戻ってから、ミチルがユキナに、


「そういえば、今、部屋が空いて無くてな。シャロとシンイチローが同じ部屋なんだが、そろそろ部屋を……」

「私も、シンイチロー君と同じ部屋がいいです」

「お、おう」


 ミチルは何かを言いかけていたようだったが、ユキナははそれを聞かずに即座にそう答えた。

 だが俺としてはどうしてそんな話になったのかと思う。

 けれどいくら考えても答えが出ない。

 

 そうやって悩んでいた俺だが、夕食時にサヨがユキナに、


「謎のさすらいフードファイターとか、そういった話くらいしかヒントが無くて本当に出会えるんだろうかと思ったよ。途中地図を手に入れたら、結構この世界広いし。それでとりあえずは人のいる街をめぐることにしたら、シャロさんの妹さんに出会ってここに来るよう言われて……ようやくであえたの」

「そうなんだ、私はミチルと一緒だったから、何とかなったかな」

「そういえばサヨの能力はどんなものなの?」

「どんなものでも完全修復できる能力だよ」

「あー、そ」

「れは戦うのは大変かも。だからミチルと一緒?」

「そうだったのかな?」

「……あと一つ聞いていい?」

「何かな?」

「そこにいる子はどういう関係なのかなって」


 先ほどから大人しく食べている幼女に目を向けるユキナに慌ててサヨがこの前のような説明をしている。

 預かっているだけであるらしいけれど、


「でも親の名前もその子分からないんだよね?」

「うん」

「物語だと何か特別な地位にありそうだよね」


 そうユキナが冗談を言ったのだった。


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