表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/54

遭遇した彼女

 現れたクラスメイトは山根雪名やまねゆきな

 髪の長い黒髪の美人である。

 目立たないタイプだが、クラスでは一番の美人だと言われていた。


 本人は、地味で普通と思っているようだったが。

 物を作ったりするのが好きだと言っていて、編み物などの女の子らしい可愛いものから、鉱石ラジオの作成といったマニアックな物まで、幅広く色々と作るのが趣味であるらしい。

 また、ゲーム等も大好きという……ややイロモノっぽい少女である。


 そんな彼女は、どうやら俺がこの世界で出会った一番初めのクラスメイトであるらしい。

 試しにいつくらいにこの世界に来たのか聞いてみた。


「私? 私は、10日くらいかな。特殊能力チートがあったおかげでどうにかなったけれど、本当に大変だったよ」

「そうなのか。一人旅だものな。……食べ物のとかその布とかどうしたんだ?」

「貰ったの。山賊に襲われていた村の人を助けたりしたらお礼にって」

「そ、そうか……」


 どちらかというとか弱そうに見えるが、山賊相手に立ち回りをしていたらしい。

 ただ今までのユキナについて考えてみると、


「その特殊能力チートで山賊を倒したのか?」

「うん、“魔道式火炎放射器”で、消毒してきたの。あ、殺してないからね」


 慌てたように付け加えるが、ユキナの思いっきりの良さに俺は言葉を失う。

 何だか分からないが、この世界に来た俺のクラスメイトははっちゃけていないか?

 もっと元の世界だったら大人しかっただろう?


 そう俺が思っているとそこで俺の心のうちなど知らずに、ユキナが嬉しそうに、


「途中、フードファイターな“ニホンリョウリ”を扱うツワモノがいるって聞いて追いかけたんだけれどそこに私がついた時にはもういなくて……結局人がいそうな、都市に行った方がいいんじゃないかって、途中、魔物に馬車が襲われていた時に助けたお姫様に言われたの! ここに来れば望んだ相手に出会えるだろうって」

「そうなのか」

「……そういえばそちらの女の子は誰? 助けたお姫様に似ているけれど」


 不思議そうに聞いてくるユキナ。

 そういえばシャロの妹が巫女だか何だかで先読みか何かができそうだった気がする。

 その子に会ったのだろうかと思いながら俺は、


「途中でどこかによったか? お姫様にあった後」

「うん、お店の商品が嫌がらせで壊れていたから、お手伝いしていたかな」


 おそらくはそれの影響で遅れたのだろう。

 そう俺が納得しているとそこでシャロが、


「もしやあなたがあったのは私の妹かもしれないわね」

「妹さん? 名前は確かレフィスとか。大人しくて繊細そうな子でした」

「妹ね。初めまして、私はシャルロッテ。皆からシャロと呼ばれているわ。妹を助けてくれてありがとう、礼を私からも言わせてもらうわ」

「い、いえ、当然のことをしたまでです。あ、あの、それよりも一つ聞いていいですか?」

「いいわ、何?」


 そこでユキナがちらりと俺の方を見てから意を決したようにシャロに、


「シンイチロー君と一緒にいるようですが、その、シャルロッテ様はどうして一緒に居るのですか?」

「妻だからよ」


 ユキナの問いかけに、シャロが即答したのだった。


評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ