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クラスメイトか!

 その日の夜は、再びシャロと同じ部屋で眠ることになった。

 なんでも明日は市が開かれるので、もう少し長い間ここに泊まりたいという客が大勢いたのだそうだ。

 やはりこの世界での生活資金が必要なので、もう少し宿が空いている時期に部屋割りを、との事だった。


 また、ベッドはもう一つ用意してくれることになったらしい。

 シャロが何やらぶつぶつ言っていたが、問題ない。

 これで一緒のベッドに眠らずに済む。


 やはりお年頃のシャロと、俺がそう言った同じベッドに寝るのは不健全なのだから(ドヤァ)

 そしてその日は別の魔法について教えてもらった。


「つまりこの転移魔法の範囲が、無色なのが問題なのね」

「はい。空間が接続している間はいいのですが、その状態でもとの状態に再接続すると……綺麗な切り口で切れてしまうと。……この木製のコップなんて、あまりにも滑らかに切られているから、鏡みたいになっているし……これで指なんかが引っかかったら大変ね」

「そうなのです。何かいい方法はありませんか?」


 といった風にシャロに聞いていた。

 この世界の魔法について俺は良く知らないのでシャロの助力が必要だったのだ。

 そこでシャロが俺に、


「思いついたけれど一つ条件があるわ」

「なんでしょうか」


 そこでシャロを少し頬を赤らめながら、


「わ、私の事を“お師匠様”と呼んで」

「え?」

「わ、悪い?」


 どうやら先生気分を味わいたいらしい。なので、


「シャロ、お師匠様」

「……うぐっ」


 そこでシャロが呻いてから、


「なんて破壊力なの。うう……よし、えっとまずこのシンイチローの転移魔法は、新入りトーの死角であったり認識する範囲で起こせる、そうよね?」

「はい」

「つまり、その起動させたい範囲に光の板状のものを表示させてからその範囲に、空間転移の魔法を生じさせたらいいのでは?」

「なるほど」


 それは良い方法だなと思って、それから、その光で図形を宙に描く魔法を教わる。

 これはこの世界では魔法を覚えたての子供が教わる、初級魔法であるらしい。

 とはいえ、初めての俺にすぐできるのかと思ったが、


「シンイチロー、魔法の呑み込みが早いよ」

「……シャロ師匠の教え方が上手いからですよ」


 そう返すとちょっと不機嫌そうなシャロがすぐに笑顔になる。

 こうして俺達は魔法の訓練をしてから、眠りについたのだった。








 次の日、市に出るとの事だったが、ミチルの能力を知られるのは得策でないとの事で、浴衣を大量に宿から持っていくことになった。

 また、シャロやサヨ、そして俺がいるころにはなかなか出てこなかったりすでに早めの食事を済ませたりで遭遇できなかった少女ミナが浴衣を着ることに。

 そして浴衣を販売するなら徹底的にとの事で、俺とシャロは看板を持って市内を歩くことになった。


 この看板や着物なら、店を見逃しても気づくかもしれないというサヨの案でもあったが。

 というわけで俺は、勇者の剣は俺は置いていこうと思ったのだが、市が見たいという話になった。

 そして俺達はその市を見て回ってすぐの事。


タタタタッ


 誰かがこちらの方に向かって走ってくるのが聞こえる。

 ふと見ると、その人物は少女というか俺と同い年くらいで、頭には布を被り顔を隠しているが、服装に見覚えがある。

 俺達の学校の制服だ。


 しかもローファは泥まみれだが、この世界の人達の靴とも違っている。

 クラスメイトか!

 そう俺が思っているとそこで彼女がフードを取った。


「シンイチロー君! ようやく元の世界の人に会えた!」


 嬉しそうに俺に近寄って来たのは、山根雪名やまねゆきな

 俺のクラスメイトで、数少ない俺の異性の友人だった。

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