容赦ない、俺への疑惑
シャロの機嫌が悪い。
俺は何かしただろうか?
「シャロ、どうしたんだ?」
「なにが?」
「いや、その……機嫌が悪そうだったから」
そこでじっとシャロは俺を見てから、次に、
「シンイチロー、私って美少女だと思う?」
「え? それは、はい。こんな綺麗な子がいるんだなと思う程度には」
「そ、そう、良かった」
「え?」
「何でもないわ。それで、ここにきて私の裸を見たわね」
そこで何故かあの不幸な事故に関してシャロに言われてしまう。
また何か問題があるのだろう? ふつふつと沸いてくるその疑問に、俺が凍り付いているとシャロが深々とため息をつき、
「私、聞いた事があるの。男って、女に対して野獣じみたケダモノだって」
「……え?」
その話が何に関係あるんだろうと俺が思っているとさらにシャロは続ける。
「なのに私の裸を見ても、シンイチローはあの時、逃げ出そうとしただけだった」
「え? はあ、それはその、女の子が裸でいる所に俺がいるのもどうかと」
「でもケダモノみたいに襲い掛かってこなかったってことは、私の裸に興味がなかったって事ね」
何か話の雲行きがおかしい。
俺がその異常を感じ取っているとそこでシャロが、
「シンイチローは“女の人の裸”に興味がないんじゃないかって」
「……その心は」
「……男の人の方が好きな人種なのかなって」
言いにくそうに告げたシャロに俺は、凍り付いた。
まさかの同性愛疑惑!
いやいやいや、俺、女の子の裸は好きだよ!
えっちな本も大好きだよ!
そんな俺が、どうしてそんな疑惑を!
俺が絶望に凍り付いているとさらにシャロが、
「そ、それに酒場のおっさんとやけに仲がいいし! き、きっとシンイチローはあんな年上の筋肉ムキムキの中年男性の方が好きなんじゃ……」
「シャロ……お願いだから止めてください。俺、普通に巨乳の可愛い合法ロリが好きなんです」
つまり年上の巨乳だけれど年齢よりも若く見える子が好きなんですと返した。
俺の最近の性癖が気付かれてしまったが、同性愛好者と思われるよりはずっといい。
だがその答えにも問題があったらしい。
「巨乳……」
「はい、俺の性癖はそうです」
「……う、うわぁあああああんんっ」
シャロが泣きながら逃げていく。
どうやら、今の答えは駄目であったらしい。
そこで剣の精霊であるイクスが出てきて、
「あーあ、ご主人様、泣かせちゃった」
「だ、だって今の受け答えで何が問題だったんだ!」
「……とりあえず宿に戻りましょう。こういったことは女の子同士の方が良さそうです。サヨもいますし大丈夫なのでは?」
そう言って、ふわふわと剣の精霊イクスと一緒に俺達は宿に戻ったのだった。
宿のドアを開けるとサヨの声がした。
「つまり、シンイチローは女の子が好きだって事なのよ! 胸なんてどうにでもなるわ!」
「そ、そっか。巨乳が好きって、そういう事なんだ! 良かった」
どうやら戻ってきてすぐにサヨがなだめてくれたらしい。
助かった、俺の疑惑がと思っているとそこでサヨが、
「あら、そちらの女性は?」
「紹介していなかったか? 勇者の剣の精霊イクスだ」
そういえばいつも隠れたままだったなと俺が思っているとそこで、更に現れたミチルにも同じ説明をする。と、
「シンイチロー、流石、主人公ぽいな。ハーレムじゃないのか?」
「そうなのか?」
俺はいまいちそうは思えなかったが、あっちの疑惑よりはそっちの方がいいかと思ったのだった。
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