凄く俺の世界の人物が関わっている予感がする
ギルドに向かった俺達。
そういえばこれがギルドでの初報酬となるはずだった。
倒した魔物から得た、この魔石の換金などはどこの窓口なのだろうと思っていると……ギルドに入るとすぐにシャロは、そのまま二階に上がる。
その階が交換場所であるらしい。
そして幾つもある窓口のうちの一つに俺達は向かい、ギルドカードと魔石を提示する。
すると、両方を受け取ったギルド職員が箱のようなものにギルドカードをさして、魔石を確認して、
「では、こちらが報奨金、星準金貨2枚となっております」
と言って俺達に金貨二枚を渡してきた。
初報酬だと俺が思ってそれを受け取り、次の換金に待っている人に場所を変わる。
金貨は一枚ずつシャロと分ける。
「シャロ、良いのか?」
「何がだ?」
「魔法で倒したのはシャロだろう?」
「二人で受けた依頼という、初の共同作業だし、それに魔族を倒したのはシンイチローだから、これくらいは当然だと思う」
「そうなのか?」
「……受け取ってほしいの」
なぜかお願いされてしまったので、俺は受け取ることにした。
このお金は大事にとっておこう、胸ポケットに入れておく。
間違えて使わないようにだ。
そうして俺達はギルドを後にしようとするも、一階の食堂には、気づくとあの身体強化を教えてくれた冒険者がいた。
「よう、どうだった、初の依頼は!」
「シャロのおかげで無事完遂できました」
「そうかそうか。駆け出しのころの冒険者が一番危険なんだが、特に怪我がなくてよかったよ。折角だから何か食べていくか? ちょうど俺達も一杯やろうって話になっていたんだ」
そう言っておやっさんの食事を見てみると、蛍光緑色の細長いものを痛めたらしい料理や、赤と白、赤と青の縞模様のキノコの炒め物などが並んでいた。
このラインナップは日本人の感覚からすると食欲がそそられない。
なので俺は、
「変わった料理ですね」
「おうよ、新メニューらしいぞ。この前の料理のコンテストで二番だった作品だそうだ」
「そうなのですか、いえ、見た目が個性的だったもので」
「まあ、初めは驚くが味はいいんだ。俺も会場で味見をしたが上手かったぞ。まあ、これよりも評判が良かった、“ニホンリョウリ”もまた格別にうまかったがな」
そこで俺は思いもよらない話を聞いた気がした。
だから俺はおっさんに、
「もしや“ショーユ”を使ったりしていたとか」
「ん? よく知っているな。伝説の調味料“ショーユ”を使った料理をふるまっていたぞ。確かあの時出ていたのは、ワフー・ミートローフ、“MATUKAZE☆”。あれは美味しかったな」
おやっさんは朗らかに笑うが、俺としては、どうしよう、凄く俺の世界の人物が関わっている予感がする、と冷や汗が垂れる。
とりあえずその人物がいる場所について聞くと、
「うーん、何かに追われているらしくて、何処に行くか告げずに去って行ってしまったな」
「そうですか……知り合いかもしれないと思ったのですか」
「そうなのか? じゃあ冒険者仲間にその人物のうわさを聞いたら教えてやろう」
「ありがとうございます!」
いいさ、それくらいと笑うおっさん。
なんか、いい人だなと俺は思ったのだった。
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