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転移魔法で一瞬で目的地に

 “マゼ森”の傍に“ナガライオン”という魔物が出るらしい。

 シャロの話を聞いた範囲では、それは俺の世界の小型犬くらいの大きさなのだが、人間を襲うのはもちろんの事、作物も荒らすらしい。

 その魔物、それほど強くないのだが倒すには数が多いらしい。


 そう言った説明をシャロに説明してもらいながら地図で俺は場所を探す。

 目的の場所はこの都市から数時間の場所にあるようだ。

 そこまでは馬車でも移動できるのだが、シャロが、


「最新の移動装置が確かに城にあったはず!」

「いや、それよりもいい方法があるから、いったん宿に戻ろう」


 そう俺は提案したのだった。








 宿に戻るとサヨが、


「どうしたの二人とも」

「いや、よくよく考えたら、外でこの特殊能力チートを使うのは危険かと思って、そこの出入り口にしようと話していた場所で使おうかと。実は昨日練習していたらコップを三つくらい駄目にしたからな」


 それを聞いていたシャロが、


「そういえば変な形のコップが転がっていたが、勇者の剣で試し切りにしたのかと思った」

「そうなんだ、それにこの力はあまり人に見られない方がいいと思って。……本当は場所移動するなら、移動先の様子を一度確認できると良いんだけれどな」

「確かそこそこ遠くの場所が見れる魔道具があったから今度は城から拝借してこようか?」

「いいのか?」

「魔王を倒すための初期投資のようなものだから、問題ないわよ。そもそも私は姫だし」

「助かるよ」

「でもそのチートは危険ならやはり城の最新鋭の乗り物使わない?」


 なぜか進めてくるシャロだが、俺としては、


「その乗り物はいつも使えるものなのか?」

「空いていれば使える」

「分かった、そのうち頼むよ。でも今日は俺の能力を試させてくれ」

「……分かったわよ」

「じゃあシャロ、今日は魔法の“師匠”としてよろしく」

「分かった!」


 師匠と告げるとシャロは嬉しそうだ。

 機嫌が直ったようなので俺はまず、その四角で囲まれた宿の壁を見て、


「“合わせ鏡(チェンジ)”、対象は……俺の目の前の枠内」


 口に出して特殊能力を使おうとする。

 声に出すと俺の能力はイメージがしやすいらしい。

 そしてゆらりとその宿の壁面が揺れるのを確認してから俺は、


「目的地“マゼ森”周辺、できれば人のいない場所がいいが……そこまで設定できるのか? 出来るなら、そこに繋げたい」

 

 俺がそう告げてそうなれと念じると、枠内がプンと小さな音を立てて、木々の葉と土が見える。

 どうやら空間と空間が繋がったようだ。

 これを維持するようにと念じながら俺はそこを潜り抜ける。


 踏みしめたのは土の感触。

 緑の森の匂いが強い。

 とりあえずは都市ではない場所だと思いながらも、ここが目的の森なのかは分からない。


 確認してもらうのはシャロの仕事だ。

 だからシャロを俺は呼ぶと、恐る恐るその扉をくぐってここに来る。そして、


「“マゼ森”だ。本当に一瞬だな……流石、女神様の特殊能力チートというべきね」


 そうシャロは呟いたのだった。


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