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魔法を教えてもらえることになりました

 剣のお値段はとても高いものだったが、事前に沢山のお金をもらっていたので何とかなった。

 それから俺達は、ミチル達の宿に戻ることになったが。


「いいのかシャロは」

「なにが?」

「シャロも武器を選んだ方がいいんじゃないのか?」

「私にはお気に入りの剣があるもの。シンイチローに折られたあの魔剣」

「その節は申し訳ありませんでした。でも今、サヨの“完結水槽(テラリウム)”で修復されているんだろう?」

「されているといいなとは思う。特殊能力チートって女神様がたまに授ける特別なものってイメージだけれど、実際に目にするのは初めてかな」

「そうなのか? そうよ。シンイチローのその力が無ければ私が勝利したはずだし」


 やはり負けたのが悔しいのか、以前の事を蒸し返してくるシャロ。

 確かにこの特殊能力チートが無ければ俺はどうにもならない。

 それを考えると、


「魔法も覚えておいた方がいいかな」

「! も、もちろんよ」

「でも誰に聞こうか」

「わ、私が教えてあげてもいいわよ」


 ちょっと上から目線で焦ったようにシャロが俺に言う。

 何だか可愛いなと俺は思いながら、


「じゃあよろしく。後で教えてもらうよ」

「分かったわ。……だったらギルドカードの属性値を見た方が……いえ、確かステータスオープンなんて変な技が使えたわね、シンイチローは。それで確認しましょう」


 シャロはどのように俺に魔法を教えるのかを考え始めているようだ。

 でも魔法と言うと、


「シャロは魔法を使えるのか?」

「もちろんよ。剣だって魔法だって使えちゃう、魔法騎士だし」

「杖を振って魔法を使う所が見てみたい」


 ここで俺は、現実に美少女が可愛らしい杖を振って魔法を使う光景を想像した。

 やはり二次元の世界で見ていたあれを、現実に見てみたい気がする。

 そう俺が思っているとそこでシャロが、


「杖タイプの魔法が見たいの? そっちも一応使えるから、今度戦闘に行った時に見せてあげるわね」

「戦闘?」

「……シンイチロー、忘れてそうだけれど、貴方は“勇者”なの。まずは周辺にいる魔王の配下である魔物を倒すことから始めないと」

「魔物……魔物、ね。これだけ人のいる都市の周辺にいる魔物は皆駆逐されているような気もするけれどな?」

「逆よ、人がいるから魔物も多いのよ。数が」

「そうなのか?」

「私達人間や亜人は、“魔物”にとって餌だし。まあ、“魔族”は、そんなの関係なしに破壊の限りを尽くすから、何処に現れるか分からないから被害が大きいのよね」


 そうどこか真剣そうに呟いたシャロ。

 そこでようやく俺達は宿に着いたのだった。







 剣は直っていた。


「ありがとう、サヨ!」

「いえいえ、お力になれてよかったです」


 サヨがシャロとそんな話をしている。

 そして俺はミチルと話していたが、


「転移系の能力があるからここを拠点に転移するか。魔王は倒さないと俺達尾が戻れないからな。部屋代は無料にしておいてやる」

「助かるよ」

「あとは転移した場合の出入り口だが、そうだな、そこの壁に木の枠をつけておくから、そこをこの宿に戻る時の出入り口として接続する、そう場所を決めておいた方が安全じゃないのか?」

「確かに突然空から落ちて来たら危ないな」

「よし、それは決まりだ。後で枠を作っとく。それと、シンイチローは特殊能力チートにはまだ慣れていないから練習しておかないとな」

「何だか覚えることが沢山あるな」

「勇者様だから仕方がない。それで他に魔物の件だが、ただ働きをするのか、それとも依頼と称してお金をついでに稼ぐのかだな」

「確かにギルドで依頼を受けてからの方がいいか」

「どのみちこの時間だと、町の外に出るころにはもう夜だ。明日の話だな」

「もう夕暮れか……本当にいろいろありすぎて疲れる一日だった」

「まあ、頑張れ。俺のできる範囲で協力するよ」


 そうミチルは俺の肩を叩いたのだった。

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