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魔力測定への事前防備は完璧だった

 こうして俺とシャロは、ギルドに向かうことに。


「やはり人が多いから手を繋がないとね」


 と言ってシャロが俺の手を握る。

 別にこの程度の混み具合では逸れることもないようなと思いつつも、女の子と手を繋いで歩いているのが何となく誇らしかったので、それ以上は何も言わずに俺は歩いて行く。

 こうやって歩いていると色々な露天が出ていると思う。


 ここはそういった通りなのかもしれない。

 この世界の都市も観光してみたいという気がする。

 ゲーム風の古いヨーロッパのような町並みだが、文明はどの程度進んでいるのだろうか?


 決闘で処刑を時代錯誤だという辺りで、ある程度進歩していそうではあるのだが……。


「……過去に超古代文明の遺産が、とかそういうのはないよな……」

「どうしたの? 一人でブツブツいって」

「いや、魔法がある世界だから文明が俺達の世界とは違いそうだなって話だ」

「! まさかシンイチローの世界には魔法がないの?」

「無いぞ。代わりに科学って力があるが」

「科学?」

「錬金術って知っているか?」

「それは知っているわ。学者さんたちでしょう?」

「それの魔法を使わないバージョンが異様に俺達の世界で発達しているんだ」


 それを聞いたシャロが変な顔をする。

 信じられないような話なのかもしれない。

 だからその話はそこでやめて、


「それでギルドは何処なんだ?」

「もうすぐ見えてくるはずよ。ほら、あの水色の建物」

「周りに花壇がある?」

「そうそう、どうやら空いてそうね」


 シャロがそう言って早足になり、俺も大股で歩き出したのだった。








 ギルドの中に入り、初心者受付と書かれた場所に向かう。

 見たことのない文字なのに読めるのは、一応は女神様の加護というものなのだろうか?

 一から言語をなんて恐ろしい事になら無くて良かったと俺は思う。


 そしてシャロが言っていた通り、空いていたらしくすぐに順番が回ってくる。

 だが、俺の顔、正確には服装を見た受付の女性がハッとしたように俺を見た。


「ま、まさか、私の時に“彼ら”が来るなんて!」

「いや、“彼ら”ってなんですか」

「我々の間で“破壊者”と呼ばれるものたち、その服装と貴方は同じだわ」


 そう叫ぶ受付嬢に、そういえば今の服装は制服だったのを思い出した。

 つまりギルドに訪れた俺のクラスメイトは、ギルドの受付嬢に目の敵にされるような何かをやらかしたのだろう。

 そう思っていると彼女が、


「魔力測定以外は普通に検査。魔力だけは、そうですね、まずは簡易測定器で見せて頂きます」


 受付嬢が四角いレンガのようなものを取り出して、俺の手の甲にそれを触れさせる。

 ぼんと音がして火花がちったかと思うと、そのレンガのようなものから煙が吹き出した。

 何事だと俺が思っていると受付嬢が、


「ふうっ、魔力が測定不能。良かったわ、いきなりまた機械が壊されるところだった。用意しておいてよかったわ」

「あの……」

「魔力部分は測定不能にしておくから、体力とか測ってきて。そうしたらギルドカードにそれらを登録するわ」


 そう言って、それ以上魔力を測定すること無く俺達は移動させられたのだった。



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