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城下町をゆく俺達は遭遇した

 シャルロッテ姫がついてくる、ということで路銀に色を付けてもらえたのか?


「……袋の中には大量の金貨が。それも結構大きい物が多数含まれている。これはどれ位の価値なんだろう」


 そう思って俺がそれを見ているとそこでシャルロッテが、


「貨幣価値がわからないの?」

「それも有るがどんな効果があるのかが分からない」

「なるほど。ふむふむ、じゃあ私が教えてあげるわね!」


 自信満々にシャルロッテがそう言って俺に、


「この硬貨は一応大陸共通の貨幣。貨幣の価値が高い順で言うと、一般的に出回っているのは、星金貨、星準金貨、星銀貨、星準銀貨、星銅貨、星準銅貨、星屑硬貨の7個に別れるわ。それよりも上位の硬貨なども有るけれど一般的な取引で使うのはそれらね」

「なるほど」

「それでこの袋に有る大きい金貨が、星金貨。そして星準金貨はこの小さめの金貨で、星金貨の1/10の価値がある。そして星準金貨が……」


 と言った説明を聞いて、また、近くの露店で売っていた瓶詰めの飲み物を俺は指差し、あの飲み物がどれで一本買えるのかといったことを聞いて、大体、星金貨=10万、星準金貨=1万、星銀貨=5000円、星準銀貨=500円、星銅貨=100円、星準銅貨=10円、星屑硬貨=1円になるようだと分かった。

 さて、貨幣の価値をシャルロッテに聞いた俺はそこで、シャルロッテに手をつながれてしまう。


「ひ、人が多いから道に迷わないようによ!」


 彼女は俺にそう言ってそっぽを向く。

 子供じゃないんだからと俺は思いはしたが、彼女の小さな手に握られるとそれはそれで悪い気はしなかったのでそのままにした。

 何も話さずに歩いていくとそれはそれで別のことに考えがいってしまうもので、俺はそこで小さく呟く。


「これからクラスの皆も探さないとな」


 無事でいるといいんだが、と俺は思いながら歩いて行く。

 出来れば全員で無傷で帰還したい。

 状況がわからないので不安では有るが。

 そこで手を引かれていた俺はあることに気づき、シャルロッテに、


「シャルロッテ姫、何処に俺を連れて行く気ですか?」


 その問いかけにシャルロッテ姫は振り返り、俺をじっと覗き込む。

 美少女に見つめられると迫力があるなと俺が思っていると、


「シャロって呼んで。姫ではなく。愛称で!」

「え、えっと、シャロ」

「よく出来ました」


 そこでシャルロッテ姫……シャロは、屈託のない笑顔を俺に見せる。

 一瞬俺は見入ってしまうと、彼女は楽しそうに、


「それで、もう一度呼んでくれたら教えてあげるわ」

「……シャロ」

「小さすぎて聞こえません」


 楽しそうなシャロ。

 しかも剣の精霊イクスは、楽しそうに状況をニマニマ見守っいているのみだ。

 この精霊は俺をピンチに追い込みそうな気がする、そんな妙な予測が俺の中で湧き上がったのはいいとして。

 そこでシャロが、


「これから、シンイチローの武器を購入しに行くの。ドワーフのお店にね」

「ドワーフ……確かにそういうのが得意そうだな」

「……何で異世界人である貴方がドワーフを知っているの?」

「物語で見た。確か妖精の一種だろう?」

「一応妖精族ではあるけれど、なんだかイメージが違うものを“ドワーフ”と言っている気がするけれど、まあいいわ。武器ならドワーフというくらい、良質なものを彼らは作るの。この都市にも幾つもお店があるけれど、その中で私がお気に入りのお店に案内するわ」

「ありがとう。でも俺にはこの剣があるからいいのでは?」

「武器は少なくとも2つ持つのが常識。一本が何らかの形で使えなくてももう一本で対応できるから」


 納得の行く答えなので俺はそれ以上何も言わずシャロに手を引かれて進んでいく。

 幾つかの路地……といっても人通りの多い場所を更に進んでいった時、俺は聞き覚えのある声を聞いた。


「今夜のお宿にこの、“花鳥風月”はいかがですか! お安いですよ~、あ、そこのお客……」


 そこで客引きをしているらしい同年代の男が俺を凝視したまま固まった。

 俺も固まった。と、


「ミチル~、あと一部屋で満杯だよ~」

「あ、サヨ、新一郎が突如俺の前に現れた」


 さらにもう一人クラスメイトがその宿から現れたのだった。


2016/12/25 星準金貨→星準銀貨に修正しました

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