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Greifen 【グライフェン】   作者: Purcell
《カード・ロワイアル編》
9/16

CR09 『殴り合い』

「『三速ドライン』でお前の山札に攻撃(アタック)!」


 シュウの宣言と共に巨大なモンスターの爪が俺を襲う。モンスター無視でプレイヤー単独狙いの殴り合い(インファイト)。実に赤単色(レッド)デッキらしい試合運びだった。


【ツバサ LP(デッキ) 21→17】


 俺の山札の上から4枚のカードがダメージとなる。俺はそのうち1枚のカードを掴んで宣言する。


逆召喚(リプレイ)、レベル3『人形遣いのパト』!!」


 俺の場に仮面をつけた奇術師のような男が出現する。その指から伸びた紐の先にあったのは、かぼちゃの化け物(・・・・・・・・)だった。


「パトの効果で俺はドロップから『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』を召喚(プレイ)します。この効果で召喚(プレイ)したモンスターは攻撃出来ません」


「場のモンスターを増やしても無駄だ!俺はもう1体の『ドライン』で攻撃(アタック)する」


【ツバサ LP(デッキ) 17→13】


「レベル3『這う影(ノムー)』をもう一度逆召喚(リプレイ)します」


「俺はこれでエンドだ。『ドライン』は『一速』『二速』と違って召喚(プレイ)した2ターン後のエンド時に破壊される」


(つまり、次に相手ターンが回ってくれば、そのターンのエンド時に『ドライン』は自壊し、その次のターンにさらに加速したあのカード(・・・・・)が来る……!)


△ シュウ LP(デッキ) 20 △

  『三速ドライン』×2

▽ ツバサ LP(デッキ) 13 ▽

  『這う影(ノムー)』 『人形遣いのパト』 『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』×2


「俺のターンです。俺は手札から『角兎 ルルー』を1体召喚(プレイ)してバトルフェイズに入ります!『三速ドライン』に攻撃(アタック)!」


 俺の場に角の生えた兎が一匹現れて『ドライン』に噛みつく。打点の高さの代わりにライフの低い『ドライン』は破壊された。


「そして『這う影(ノムー)』と『パト』で相手の山札を攻撃(アタック)!」


【シュウ LP(デッキ) 20→15】


 シュウは山札の上から3枚を見て1枚を場に出した後に、次の2ダメージからも1枚の逆召喚を宣言した。


逆召喚(リプレイ)、レベル2『垂直落下のラスト』。そしてもう1枚は――レベル1『下限(ボーダーライン)ゲタ』だ」


「っ!?」


 『下限(ボーダーライン)ゲタ』は強いカードではない。『ルルー』と同じスペックにも関わらず「自分のエンド時にライフ2以下の自分のキャラを全て破壊する」というデメリット効果の付いたカードだ。


 だが、この状況では最高のパフォーマンスを発揮する。


 『三速ドライン』は元々のライフが3のモンスターで、ターンエンドごとにライフが1ずつ下がっていき、エンド時に破壊されると次のターンに加速召喚(アクセル プレイ)される。


(『下限(ボーダーライン)』と『ドライン』、この2枚のコンボか!)


 俺は何もできず、ターンエンドするしかなかった。その瞬間、シュウは『下限(ボーダーライン)』の効果発動を宣言する。


「俺の『下限(ボーダーライン)』の効果により、俺の場の『下限(ボーダーライン)』と『ドライン』は破壊される」


△ ツバサ LP(デッキ) 13 △

  『這う影(ノムー)』 『人形遣いのパト』

  『角兎ルルー』 『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』×2

▽ シュウ LP(デッキ) 15 ▽

  『垂直落下のラスト』


「俺はメインフェイズを開始する。この瞬間、ドロップの『三速ドライン』の効果発動。」


 シュウは手を前にかざして宣言する。


加速召喚(アクセル プレイ)!!レベル4『光速(オーバーカウント)アハト』!!」


 シュウの場に現れたのは大きなトカゲではなかった。忍者のように布を巻いていて顔も見えないが、爪だけは唯一飛び出ていて確認出来る人型のトカゲだった。


「ついに来たか。『加速』デッキの切り札……!」


 『光速(オーバーカウント)アハト』は『三速ドライン』の効果でしか加速召喚(アクセル プレイ)出来ず、普通に手札からは召喚(プレイ)出来ない。さらに出したターンのエンド時には自身の効果で破壊されてしまう。

 その代わり、そのスペックは並のレベル4を大きく凌駕しレベル5――つまり、俺の【Flugel(フリューゲル)】にも匹敵する。


「『光速(オーバーカウント)アハト』が加速召喚(アクセル プレイ)された時、俺の他のモンスターは全て破壊され、この効果で破壊したモンスターの数だけ『アハト』は攻撃回数が増える(・・・・・・・・)


 今の俺のLP(デッキ)は13枚で『光速(オーバーカウント)アハト』の打点は6だ。


(ギリギリで俺の山札は1枚残る……!)


「安心するのは早いぜ。俺は手札からレベル1『自壊人形(じかいにんぎょう)ローフ』を召喚(プレイ)!効果で『ローフ』自身を破壊することで相手に2ダメージ」


【ツバサ LP(デッキ) 13→11】


 俺の山札の上から2枚のカードがダメージになる。俺はそれをカウントに置いた。


(まずい……。俺のデッキは11枚で『アハト』は6打点で2回攻撃だ。このままだと……)


「俺は『光速(オーバーカウント)アハト』で攻撃(アタック)!」


【ツバサ LP(デッキ) 11→5】


 山札6枚が一度にダメージとして消える。俺はその中の1枚のカードを手に取った。勝負の結末を確信したのか、観戦している森嶋がにやりと笑った。


逆詠唱(リプレイ)――レベル3呪文(スペル)屋根裏の闇(ディスファール)』!!!」


 『屋根裏の闇(ディスファール)』は黒単色(ブラック)デッキにだけ許された最強の除去呪文(スペル)だ。その効果は相手の場のレベル3以下(・・・・・・)のモンスターを1体破壊する。そしてもう一つの効果は――


詠唱色強化(ゲット カラー)レベル7(・・・・)!」


 ――カウントにある黒のカードの枚数以下のレベルを持つモンスターを1体破壊する。俺のカウントには黒のカードが7枚置かれているのでレベル7以下のモンスターを破壊出来ることになる。

 もちろん、対象は『アハト』だ。


 相手の場の『アハト』は闇に消え、シュウの場にはモンスターは居なくなった。


「俺はターンエンドだ。」


△ シュウ LP(デッキ) 15 △


▽ ツバサ LP(デッキ) 5 ▽

  『這う影(ノムー)』 『人形遣いのパト』

『角兎ルルー』 『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』×2


「問題はここからだね」


 森嶋が笑いながら言う。そう、ここからなのだ。

 俺もシュウもそれを理解しているが、シュウはあえてそれを口に出す。


「今のターンで俺の『アハト』の一撃を免れる粘り強さは確かに認める。でも、このターンで俺を倒さなければ結局お前の負けだ」


 シュウのLP(デッキ)は15で、1ターンには3体までしかアタック出来ないので俺は平均打点5になるようにモンスターを3体揃えなければならない。これがどれだけ難しいことかは、追い詰めたシュウだからこそ理解しているのだろう。


「いや、先輩にあんなかっこいいコンボ決められた以上、俺もやり返させて貰いますよ」


 俺は最初から手札に持っていた1枚のカードを場に出す。


「レベル4『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』を召喚(プレイ)!!」


 俺の場に出現したのは怪物(モンスター)ではなくもはや意思を持った爆風だった。


「『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』が召喚(プレイ)された時、俺は自身のモンスターを2体破壊しなければいけない!俺は『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』2体を選択!」


 俺の場のかぼちゃの化けもの派手に爆発し、その爆風がシュウを襲う。

 『鬼爆弾(ランタン ヴィス)』は攻撃出来ない代わりに、破壊された時に相手の山札に4ダメージを与えるモンスターだ。シュウは合計で8ダメージを受ける。


【シュウ LP(デッキ) 15→7】


 シュウがセットエリアから場に出したのはさっき見たばかりのカードだった。


「まだだ!俺は『終世の重機(モトール)』を逆召喚(リプレイ)し、お互いのフィールドのモンスター全てのライフを7下げる!」


 お互いの場のモンスターたちが次々と消えていくが、俺にとってはこれも想定の範囲内だった。


「残念ですが先輩。『終世の重機(モトール)』じゃ俺の『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』は倒せません」


 『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』はライフ8のモンスターだ。

 そして、『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』がアタックする時に相手は自分のモンスターを生贄にして、そのモンスターのレベル分ダメージを軽減させられると言うデメリット効果も持っていたが、もうお互いのフィールドには『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』以外のモンスターは残っていなかった。


「俺は……打点8の(・・・・)爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』で先輩に攻撃(アタック)します!」


【シュウ LP(デッキ) 7→0 GAME END】



 競技机の投影は薄くなっていった。


(……勝った。いや、勝てた。(・・・・)


 俺はあまりにもギリギリの勝利に直面して、『机上高』の生徒のレベルの高さを痛感していた。


(一年生でこれだとしたら、この森嶋と言う男はどれほど強いんだ?)


 二人に対して拍手をしている眼鏡の男。

 俺は若干の恐怖を感じていた。







■所持カード[ツバサ]■

枚数:40枚 


○『片翼の夜騎士(ネロ・ナイト)グレイヴ‐ф(フリューゲル)

○『角兎 ルルー』

○『超過爆殺(オーバーキル)サラム』

○『這う影(ノムー)

○『藁人形シルフィド』

○『宙を漂う砂粒(ストップ&スキップ)

○『鬼爆弾(ランタン ヴィス)

○『人形遣いのパト』

○『屋根裏の闇(ディスファール)

○『爆炎魔鬼(ボルス)ランタン』



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