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惹かれる気持ち




 酷く綺麗な顔をしていた


 苑川学園は男子高校だ

 あんな容姿をしていたら男であろうが

 誰もが近寄る事は目に見える


 俺が人に興味を湧いてしまうなんて...



 翌朝俺はいつもより早く起きた

「あら亜久里くん!今日は早いのね」

 寮に住んでいる俺は毎日寮母の雅子さんの飯を食べているが

 この時間帯に顔を出した事はほとんど無い

 周りにいる苑川学園の奴らも口を開いていた


うん...今日はそういう気分だから

「こんな日は毎日続けばいいんだけどね?」

 雅子さんは食事の準備を進めながら笑った

 俺にとって雅子さんは唯一の"知り合い"だ


 校門を通った

 俺の赤メッシュを見ている

 そうだろうな。こんな髪の毛居ないからな

 この赤色はもう二度ととれない

 とられなくさせられた

 だから学校でも手に負えない


 教室に入れば騒がしいクラスも一瞬で静まった


「あいつ...宮藤じゃん」

「なんでこんな朝早くに...」

 クラスにざわめきが起こる

「はーい席につけよ」

 担任教師が入って来た瞬間に俺の姿に目が行った

「宮藤...おはよう」

 最初は動揺していたが笑顔を仕向けてきた


 そんなの愛想笑いだ

 俺は冷たく一礼した



 一日中、学校に居ればあいつに会えるとか勘違いしてた

 しかしあいつのクラスも学年も知らない


 一日で見付かるなんて不可能だ

 更に会ったら何を話せば?

 ただ俺がまた会ってみたいと思っただけだから


 ん...?待てよ俺、会いたいと思った?

 俺が?あいつに興味を持った時からおかしいと思った

 何で?俺はあいつに惹かれたのか?綺麗だったから?

 おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい


 俺が人に興味を持つなんて!!


 お昼になれば俺は席から立ち上がった

「ねえ...宮藤くん」

 後ろから声をかけられた。

 黒髪のウルフカットで童顔な顔をしていた

 身長が少々低めで目を下ろした

「一緒にご飯食べないかい?」

 そいつの後には3・4人の友達がいた

 しかし俺は"いつもの場所"へ行こうとしていた

ごめん。ちょっと行くところあってさ

 "そっか.."と小声で漏らせば

「じゃあまた誘うね!」

 手を振りながら笑顔で返してくれた


 声をかけられるなんて久し振りだ

 しかし少し"ありがたい"と思った

 俺は昨日と気持ちが違う...

 気持ちに余裕がある。軽くなる

 俺は急いで"いつも場所"へ行った


 辺りを見渡して見れば誰も居ない

 そう、ここは体育館だ

 ギャラリーを見ても居なかった

 昨日はたまたま忘れ物を取りに来ただけか

 しかも放課後だった。期待は外れた

 ギャラリーの階段へ上がろうとした


 その時だった



「あっ...そこッ...も、出ちゃうっ..!」


 体育館倉庫から喘ぎ声が聞こえてしまった

 何してんだよ...こんな所で...

 顔が火照った。俺の自身も勃ち上がってきたのも分かる

 ...少しだけ。少し

 興味と興奮の勢いで隙間から覗いた


 覗いた時には遅かった

 もう俺はいつもの俺には戻れなかった




 男が男の上に馬乗りしていた

 男が淫らな顔をしながら喘いでいる

 馬乗りしている方の男は見覚えのある茶髪を揺らしていた


「たつっ..あぁ!きもちいよ...」


 もう引き返せない

 攻め続けている男は言った。聞き覚えのある声で



「限界なの?俺もう一発イっちゃうけど?」






  Be continued...



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