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夏生詩集

接客

作者: 夏生

はじめてのアルバイト、から、接客に変更しました。

はじめてのアルバイト

小さな喫茶店で

コーヒーを運ぶ


コ、コ、コ、コーヒーでございます

カタカタカタカタカタ……

カップとソーサーが小刻みにぶつかって

(こんなにコーヒーって重かったっけ?)

スプーン忘れて大アラワ

お客さん、苦笑い


一週間後


コ、コーヒーでございます

ちょっとカタカタ

(スプーンの位置が逆だった)

引きつった私の笑顔


一ヶ月後


ホットコーヒーでございます

カチャ、これは置いた音

(スプーンの向き、大丈夫!)

コーヒーに笑顔を見せて

何か忘れたような気がして


三ヶ月後


ホットコーヒーでございます

うっかりこぼさないように注意して

(スプーンの位置?目を瞑っても間違いなく置けます) 

(慣れた、慣れた、あれ、やっぱり何か忘れているような)

ふてくされた顔してんな、とお客さん

(いえいえ、笑顔は見せてます、ほら、口角あがってますよ)


半年後


お待たせ致しました、ホットコーヒーでございます

(寒い中、お仕事ご苦労様です。ごゆっくりどうぞ)

コーヒー、音を立てずに置いて

「ありがとう」

お客さんのあたたかな言葉に

心もふんわりして、こちらもありがたくなって

深く一礼した


ああ、忘れていたのはこの気持ち




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