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第22,23話 最強賢者、絶望的な状況を確認する



ミアが馬に強化魔法を使ってから、1時間ほど後。

俺達は何事もなく、レオニリアへとたどり着いていた。


「とりあえず、街は平和そうだな」

「……今のところ、襲撃は起こってなさそうか」


どうやら街の周囲が危険だという情報はすでに伝わっているらしく、街の中の人々は不安げな様子だ。

冒険者などは街の一角に集まり、武器を準備している。


「ネム、龍脈柱の観測は私とネイトンで行うから、騎士団詰所と冒険者ギルドで情報を集めてきてくれ。身体強化の使用を許可する」

「了解です!」


身体強化を発動したネムがものすごい速度で走っていくのを見ながら、俺は周囲の状況を探っていた。

街に危険が迫っているという俺の言葉が、勘違いなら嬉しかったのだが……周囲の魔力反応は、そうは言っていない。


「ネイトン、なにか感じるか?」


龍脈観測所へと進みながら、ミアがそう尋ねる。

ドラゴンが1体と魔物10万体……最初は確か、そう言ったんだったな。

どうやら、誤報を出してしまったようだ。


「ああ。魔物の群れもドラゴンもいる。だが魔物の数は訂正したい。30万じゃなくて40万だ」

「あれだけの距離があって、3割しかズレていないのか……。いずれにせよ結果は変らない。我々にとっては多すぎる数だ」


そう話しながら俺達は、龍脈観測所についた。

ミアは入口の鍵を解除しながら、俺に告げる。


「緊急時につき、観測者以外の退出は省略する。先に私が龍脈柱に触れるから、その後で記録をしてくれ」

「了解」


俺達はそう話して、二人で龍脈観測所に入る。

ミアは龍脈柱に触れて目をとじ……30秒ほどして手を離した。


「魔力は見えた。次はネイトンだ」

「ああ」


俺はそう言って、龍脈柱に触れる。

すると……遠くから見るのとは比べ物にならないくらいはっきりと、周囲の魔力が伝わってきた。

俺は転写魔法を使い、その情報を書き写した。


「できたぞ」


出来上がった地図は、普段とはだいぶ違ったものになっていた。

地図の殆どの場所は白紙……これは手抜きをした訳ではなく、本当に魔物がいないのだ。


そして地図の北部には大きなマルが書いてあって、『魔物の群れ 約40.2万体 E~Cランク』と書かれている。

地図の東部には、大きな点があって『ドラゴン(鉱石系)』と書かれていた。


「ずいぶんと大雑把な地図だな。まるで私達が書いたみたいだ」

「普段みたいに魔物の名前を1匹1匹書いてもよかったんだが、文字を読むために微小分析魔法が必要になるぞ」

「確かにそうか。……地図の内容に異論はない。完全に地図の通りだ」


どうやら俺の勘違いではないようだな。

魔物の群れと街の間には20キロほどの距離があるが、ドラゴンのほうは10キロくらいしかない。

しかも悪いことに……。


「さっきから、ドラゴンがこっちに近付いてる気がする」

「ヤバそうか?」

「スピードからして、恐らく歩いてるだけだ。だが1時間もすれば街に着くな」


そう話している途中で、バキッという音とともに扉が外側へ吹き飛んだ。

そして扉の向こうから、ネムが顔を出す。

どうやら身体強化魔法を使ったままドアを引っ張ったため、ドアを破壊してしまったようだ。


「あっ、ついうっかり……」

「扉を開ける時には身体強化を緩めろと教えたはずだ。だが今はいい。報告を」


ネムはミアの言葉を聞くと、壊れた扉を地面に投げ捨てた。

そして、ネムは口を開く。


「はい。本日レオニリア北部方面に向かった冒険者の帰還率は15%。普段ならこの時間には60%以上の冒険者が帰還しているとのことです」

「45%くらいは死んでるってことだな。騎士団のほうは?」

「戦闘態勢を整えて待機中です。目視による調査は発見されると襲撃を誘発する可能性があるので行わず、魔法師団による龍脈観測を待つとのことです」


龍脈観測待ちか。ずいぶん信用されてるんだな。

まあ、そうでなければ魔法師団員が3人も、龍脈観測だけのために派遣されたりはしないか。


「分かった。……ネイトン、地図をもう2枚作れるか?」

「ああ。魔物の配置が変わってるかもしれないが、さっきと同じのでいいか?」

「魔物に大きな動きがないなら、同じもので問題ない」


俺はミアの言葉を聞いて、同じ地図を2枚転写する。

ミアはその2枚に『ギルド用』『騎士団用』と書くと、机の上に置いた。


「これで、結果は向こうから取りにきてくれるはずだ」

「了解です! 私達はどうしますか?」


ミアの言葉に、ネムがそう尋ねる。

できあがった地図を渡しに行かないのは、その暇がないほど忙しいからだろう。

問題は、それの理由が何かだが……。


「街に向かってくるドラゴンの討伐に向かう。魔力節約のため、接敵まで身体強化の使用は禁止する」

「了解です!」

「分かった」


どうやら、俺達はドラゴンを倒しにいくらしい。

ドラゴンの討伐って、こんな簡単に決めるものだったっけ?

制作時の都合で話数が2話結合されています。

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